維新・吉村氏が求める議会の自主解散 「不信任知事」再選後の前例なし
兵庫県知事選での斎藤元彦知事の再選を巡り、日本維新の会の吉村洋文共同代表(大阪府知事)が24日、県議会の自主解散に言及した。県議会で全会一致の不信任決議を受けた斎藤氏が選挙で県民の信任を得たことを踏まえ、議会側が責任を果たすべきだというのが理由だが、議会が不信任を突き付けた知事の再選後に自主解散した前例はなく、ハードルは高い。 【写真】再選の斎藤氏、吉村氏の祝福メールは「寝て返信せず」 議会が知事の不信任を決議したケースは、斎藤氏に対する9月の兵庫県議会の例を除くと、昭和51年の岐阜県議会(当時の知事は平野三郎氏)▽平成14年の長野県議会(同・田中康夫氏)▽15年の徳島県議会(同・大田正氏)▽18年の宮崎県議会(同・安藤忠恕(ただひろ)氏)-の4件。 岐阜県の平野氏と宮崎県の安藤氏はいずれも決議後に辞職し、その後の知事選にも出馬しなかった。徳島県の大田氏は失職後に出直し選挙に臨んだが、落選した。 不信任決議の後も知事を続けることができたのは長野県の田中氏のみ。「脱ダム宣言」で議会と対立した田中氏は決議を受けて失職したものの、出直し選挙で圧勝した。 田中氏の再選後に一部の県議が辞職したが、県議会は自主解散を選択せず、15年の統一地方選で県議選が実施された。「反田中派」の現職は29人が立候補し、21人が再選した。(清宮真一)