トップアスリートにお笑い芸人、女優…伊達さゆりだけじゃない“意外な親族”を持つ声優たち
「家族が有名人」はメリットだけではない?
芸能界でひときわ華やかな家族をもつのは、男性声優の土屋神葉。第15回「声優アワード」にて新人男優賞を獲得し、『ハイキュー!!』シリーズにも出演している有望株だが、実は国民的女優・土屋太鳳の弟だ。 2人は幼い頃から仲が良かったらしく、太鳳は神葉のことを「シンタン」という愛称で呼んでおり、寂しい時に弟の声が出るLINEスタンプを聞くというエピソードも披露していた。仕事上でも、2019年公開の映画『バンブルビー』の日本語吹き替えにて共演を果たしている。 さらにこの家族は3人姉弟で、長女は2019年にミス・ジャパンのグランプリを獲得した土屋炎伽。2023年には、太鳳が監督・脚本・主演を務めた『アクターズ・ショート・フィルム3』の『Prelude ~プレリュード~』において、初となる“土屋三姉弟”の共演が実現しており、神葉はインスタグラムで「最初はドッキリかと思いました。しかし、姉の魂を感じました。この作品で、姉弟共演を実現することができたこと、本当に感謝で胸がいっぱいです」と喜びを語っていた。 また、それなりに有名な話だが、『とっとこハム太郎』のロコちゃん役や『ケロロ軍曹』の西澤桃華役などで知られる池澤春菜は、錚々たる文学者の家系。芥川賞作家で翻訳家としても有名な池澤夏樹を父にもち、祖父は『草の花』の作者として文学史に名前を残している福永武彦、祖母は詩人の原條あき子だ。 池澤自身、大の読書家でエッセイや書評などの執筆を手掛けており、2022年まで日本SF作家クラブの会長を務めていた。2020年には父娘の共著となる対談集『ぜんぶ本の話』も刊行しているが、一時期は父親が有名作家であるため、偏見を向けられることに悩んでいたそうだ。マルチな活躍の裏には、他人には想像もできない苦悩があったのかもしれない。 親族に有名人がいる声優は、どうしても「恵まれた家柄」と見られてしまいそうだが、だからこそ偏見を乗り越えるために並々ならぬ努力をしているはず。伊達さゆりが叔父の名前を一切出さずに声優としてブレイクしたのは、その証明に他ならないだろう。
キットゥン希美