【Playback箱根駅伝】第71回/山梨学大が早大とのマッチレース制して連覇 渡辺康幸が2区でスーパー区間新
2024年に箱根駅伝は第100回大会を迎える。記念すべき100回に向けて、これまでの歴史を改めて振り返る『Playback箱根駅伝』を企画。第1回大会から第99回大会まで、大会の様子を刻んでいく。(所属などは当時のもの) 第71回箱根駅伝総合成績をチェック
第71回(1995年/平成7年) 2位の早大が2年ぶり往路V、3位の中大が8~10区の3連続区間賞で復路優勝
前回、前々回に続く「山梨学大vs早大」の構図となった第71回大会。記念大会で特別に20チームの参加だった前回から出場枠は通常の「15」に戻り、法大が7年ぶりに予選会敗退を喫した。 レースは山梨学大の1区・中村祐二(2年)が序盤に飛び出すと、ただ一人ついて行った日大の川内勝弘(4年)を早々と置き去りにし、区間新ペースで突き進む。終盤で失速して新記録とはならなかったが、区間歴代2位の好タイムでトップ中継。2位の日体大に1分24秒、9位スタートとなった早大に2分01秒差をつけた。 2区では従来の区間記録(1時間7分34秒)を14秒上回った山梨学大のステファン・マヤカ(3年)の後ろで、早大の渡辺康幸(3年)が衝撃の走りを見せた。9位から7人を抜いて2位に浮上すると、1時間6分48秒のスーパー区間新を達成。前年の1区区間新に続く2年連続の快走だった。 2区終了時で早大に1分29秒差をつけた山梨学大だったが、3区で一気にその差がひっくり返った。 早大は2年時から3区、7区で連続区間賞を獲得している小林正幹(4年)が従来の区間記録を56秒も塗り替える快走で首位に浮上。早大は4区の小林雅幸(2年)も区間賞(区間新)、5区の小林修(4年)も区間5位と見事な継走で2年ぶりに往路優勝を果たした。 往路2位は1分47秒差で山梨学大。1939年に総合優勝の経験を持つ古豪・専大が39年ぶりの好成績となる往路3位に入った。 このままVロードを疾走したい早大だったが、山梨学大が6区・藤脇友介(3年)の区間賞で逆転に成功。7区でも國増尚吾(2年)が区間トップの快走で後続との差を2分51秒に広げた。 しかし、8区で早大が再逆転。後宮正幸(4年)が区間3位の好走で山梨学大に3秒差をつけ、勝負を大いに盛り上げた。 9区でも両校による激しいつばぜり合いが繰り広げられたが、この区間を制した山梨学大がそのまま逃げ切り、2年連続の総合優勝を手にした。 早大は前年に続く準優勝。往路5位だった中大は8区で区間新記録を樹立した榎木和貴(2年)から9区・菅陽一郎(4年)、10区・佐藤信之(4年)と3連続区間賞を手にして3位まで順位アップ。復路優勝に輝いた。 一方、9区終了時で4位につけていた順大は、10区の浜野健(2年)が故障の影響により残り9km地点で途中棄権。前回3位の名門がまさかのアクシデントに泣いた。 これにより、東農大が9位に繰り上がってギリギリのシード権獲得。東洋大はわずか25秒差で10年ぶりのシードを逃した。 参考文献:箱根駅伝90回記念誌(関東学生連盟)
月陸編集部