“言葉のパス”でコミュニケーション。横浜FCの福森晃斗が明かしたサポーターへの深い思い「自分は降格を経験していないので分からないですけど...」
「なので、自分はたぶん合わせる側なのかな」
まだ練習場に残っているファン・サポーターに視線を向けながら、福森は続ける。 「こうやって観に来てくださっているみなさん、練習場も最寄り駅からはちょっと遠いですよね。自分は車で来ているので楽ですけど、意外と坂が多いなって。でも、みなさんが来てくれるおかげで、戦わなければいけないという責任感を持つことができる。そして、90分を戦ったあとに、みなさんと一緒に喜び合いたいんです。 関東には正直、横浜FCより強いチームもある。神奈川には湘南、川崎、ずっとライバル視しているマリノスがJ1にいる。試合だってチケット代がかかるなかで、自分たちを応援してくださっている。その方たちの期待に応えなければいけない責任がある。とにかく頑張るしかないです」 温厚なキャラクターだが、胸には熱いものを秘める。そして自分以外の誰かを思いやり、気遣いができる人。それがプレーにも出ているのでは? と投げかけると、31歳のレフティは「なので、自分はたぶん合わせる側なのかな」と応じる。 セットプレーで見せ場を作るのはもちろん、最終ラインから自慢の左足のキックを駆使し、正確なパスを通す。ピタリと合わせるサイドチェンジも専売特許だ。“出し手”と“受け手”の関係性で、自分から要求する時もあるが、基本は“受け手”のことを考えている。 「周りがどう考えているとか、こういうボールが欲しいだろうなとか。自分は、前の選手を気持ち良くプレーさせたいタイプなので。今のちょっと違うんだなとか、このタイミングで欲しいんだなって。それでも合わなかったら、コミュニケーションを取ればいいという感じですね」 ピッチ内外で気配りができる福森晃斗。期待のニューカマーがJ1復帰を期す横浜FCで、どんなプレーを見せるか。コンディションは上々だ。「練習試合でもセットプレーで得点は取れているので、自分のキックの感触も問題ない」。開幕の山口戦は2月24日、三ツ沢で14時にキックオフ予定だ。 取材・文●広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)