ゴルフスウィングの「ウェイトシフト」、プロはどうやってる? アマはどう取り入れるべき?【ゴルフメカニクス研究所 #12】
ゴルフに関する様々な理論に精通するインストラクター・大庭可南太が「ウェイトシフト」という長年の問題について解説する。
こんにちは。ゴルフインストラクターの大庭可南太です。さて先週から国内LPGAツアーも開幕し、海外PGAツアーも4月のマスターズに向けて各選手とも調子を上げているように見えます。ここ数年、特に若手選手のスウィングを見ていると、かつてに比べて力感の少ない、スムーズなスウィングの選手が増えてきたように思います。 最近の選手はさまざまな解析装置なども使って、スウィングの効率を高めるトレーニングをしていることの結果だと思いますが、アマチュアがどのようにカラダを使っていくべきなのかは長年のテーマとなっているわけで、今回はその核心ともいえる「体重移動」とか「地面反力」とか言われる「アレ」について考えてみたいと思います。「アレ」は、英語では「ウェイトシフト(Weight Shift)」と言います。
「インパクトに向けて左脚に乗っていく」水平な体重移動
古典的な指導では、「バックスウィングでしっかりと右脚に乗り、インパクトからフォローにかけて『体重移動』を行なって左脚に乗っていく」と言われていたそうなので、レッスンをしていても水平方向に体を揺さぶるスウィングをされている方が多くいらっしゃいます。 そうなると、「右脚→左脚」という水平方向に重心が移動するスウィングになりがちなのですが、昨今ではこうした動作は「スウェイ」と「スライド」と表現され、あまり望ましくない動作とされています。 こうした野球のバッティングのような体重移動を行うことで、最大限のパワーを得られる……ような気がするのですが、実はあまりメリットがないことがわかっています。 理由は、バックスウィングと同時に後方に体が流れることで上半身の捻転が不十分になり(画像A左)、またインパクトに向けて目標方向に体が流れることで、いわゆる「突っ込む」態勢になり、インパクトが詰まる(画像A中)、あるいは最悪「シャンク」する場合があり、そのうえヘッドスピードの上昇にはあまり寄与しないからです。 一方でプロのスウィングを見ていると、アドレスでおおよそ半々に見える左右の荷重が、フィニッシュでは明らかに「左脚に乗っている」ように見えますので、どこかで「体重」なのか「荷重」なのかわかりませんが、その移動が起きているはずなのです。