「努力はかっこいい」身長128cmのダンサーDAIKIさん 教師になれず絶望、ダンスでかなえた夢 STOP自殺 #しんどい君へ
ダンサー DAIKIさん(30)
軟骨細胞の異常で骨が伸びにくくなる「軟骨無形成症」。2万人に1人とされるこの難病を抱えながら「身長128センチのダンサー」として活躍しているDAIKIさんは周囲から奇異の目で見られることに苦しんできました。怒りや不満などの感情を激しい動きで表現する「クランプダンス」に出会い、「自己表現の手段を獲得した」と言います。「一度夢がやぶれたとしても、努力した自分を褒めてあげれば、絶対に次につながる。夢はかなうし、努力はかっこいい」とエールを送ります。 【動画】「#しんどい君へ」 DAIKIさんからメッセージ
小4で認識した病気
自分が病気であることに、小学校4年生まで気づいていませんでした。通っていた横浜市立小学校の同級生より、体が小さい、歩くのが遅い、徒競走で1番になれない――。それは全部、自分の努力不足だと思っていました。 病気かなとの思いを強くして、休み時間に教室にあった共用のパソコンで調べたことがきっかけでした。「小さい」「足が遅い」といったキーワードを全部打ち込んでインターネットで検索すると、軟骨細胞の異常で骨が伸びにくくなる「軟骨無形成症」にあてはまったのです。 後から聞いた話ですが、母親は僕が自分から尋ねてくるのを待っていたそうです。ネガティブな先入観を持ったり、チャレンジ精神が育たなくなったりしないように配慮してくれました。 ただ、その日を境に、自分は病気であるという認識が生まれました。「どうして自分だけがこんな運命なんだろう」と思い、生まれてきた意味がわからなくなりました。 それまでは「僕のことを見る人が多いな」と不思議に思っていましたが、病気とわかり、外を歩きづらくなりました。 実際に、デパートで買い物をしていて傷ついたこともあります。一人でおもちゃ売り場にいた時、小さな女の子に「あの人ちっちゃい」と指をさされました。それ自体はよくあることでしたが、隣にいたその子の母親が「見ちゃダメ」と言って、離れて行きました。ショックでした。僕は怪物でも、犯罪者でもない。見ないふりをするのではなく、「なんで小さいの?」と聞きに来てくれたらよかったのに。衝撃が大きかったからでしょうか、20年近く前のことですが、女の子は黄色いシャツを、母親は赤いシャツを着ていたことを鮮明に覚えています。 それからしばらくは荒れていました。机をひっくり返したり、教科書を破いたり、教室の窓からトイレットペーパーを投げ捨てたり。くだらないことばかりですが、自分の存在を証明したかったのだと思います。「どうせ勉強しても、就職などの時には病気ばかり見られるんだろうな」と思い、勉強をする意味もわからなくなってしまいました。