「店員に“つけているマスクをよこせ!”と要求」「いきなりビンタ」…“カスハラ客”対応策を臨床心理士に聞く 都の条例制定の意味は
■カスハラ対応で必要なこと
カスハラへの対応について藤井氏は4つの方法を紹介した。 カスハラ対応1:ディスページング 「過剰な要求や不当な言いがかりをつけるような相手のペースに合わせていると、どんどんヒートアップする恐れがあるため、話すトーン・ペース・声の質を合わせない、あるいは一定の物理的な距離を取ることが効果的だ。こうした相手と逆の方向を選択する“反同調行動”に対し『かえって逆効果では?』と思われるかもしれないが、相手が引いているにもかかわらず、怒り続けることは実は大変な作業だ。『薪をくべなければ、いずれ落ち着いていく』、これが原則だ」 カスハラ対応2:メタ認知を効かす 「これは一言でいうと、自分と相手を俯瞰して見るということだ。『お客様の立場になって考えてあげないと…』と思う方もいると思うが、そもそもカスハラ的な言動の人とはまともなコミュニケーションは成立しない。誤解を恐れずに言えば、少し上から目線で『この人はこのパターンだな』『今、何分経ったな』などと引いて考えることが有効だ」 カスハラ対応3:シェアリング 「『今日こんなことがあったよ』『こんなお客さんがいた』などと、事実と感情をきちんと言葉に出して同僚・上司に共有することが大切だ。もう1つは物理的・時間的なシェアだ。例えば長時間にわたってクレームが続くケースにおいては時間あるいは日ごとに担当者を変えた方がいい。一人に集中してしまっては心理的にも抱え込んでしまうリスクがある」 カスハラ対応4:記録をする 「これは状況や職場環境次第では難しい場合もあるだろうが、できれば具体的な履歴を証拠として残したほうがいい。可能であれば、きちんと音声(あるいは監視カメラなどの動画)の記録を取る、メモにして残すなどして、保全した方がいい」 (『ABEMAヒルズ』より)