【中年必読!】スーパーカー少年がオジサンになっても永遠に悩むのはそのスペックだった件
カウンタックを生んだデザイナー、マルチェッロ・ガンディーニ追悼展開催
クラシックカーの祭典といわれる「オートモビルカウンシル2024」が今週末に開催されます。イベントの詳細はリンクでご確認いただくとして、主催者テーマ展示のひとつがピニンファリーナだったのですが、M・ガンディーニ氏が鬼籍に入られたことで変更に。「マルチェッロ・ガンディー二追悼展」が開催される運びとなりました。 この記事の他の画像を見る ガンディーニ氏といえばスーパーカーの双璧、あのランボルギーニ・カウンタックをデザインした人物。もしイベントにお出掛けになるのなら、ガンディーニデザインの車両を見つけるのも楽しみのひとつ。この追悼展にはランボルギーニ・エスパーダが用意されるといいますから、マジマジと拝見するのも至高のひと時。カウンタック以上にレアですから是非ご覧いただきたいと思います。 で、当初はピニンファリーナが予定されていたので、スーパーカー少年だったワタシとしては双璧のもう一方、365なり512なり、当然BBを探すワケです。そうしたら出展常連の、しかも少し前に現地取材したばかりのお店「ヴィンテージカーVISCO」さんから「512BB出展します。クラシケ申請中です!」の吉報が舞い込んできました。 車両は1979年式。前作365が1976年7月で生産終了していたと思うので512生産開始から3年目のモデルという計算になります。早速、画像のご送付をお願いすると、「じつは今日撮影します」との返答が。翌日送られてきた画像を拝見すると流石クラシケレベルの個体だけにキレイキレイ。 さらに内装、シートの状態を確認すると適度に乗っていた痕跡があり、またNakamichiのデッキが装着され前オーナーのセンス良しってことで個人的評価はさらに上昇局面に。レストア直後のピッカピカもヨイのですが、適度に乗ってこのレベルなら逆に高評価を与えられると思うのです。
ピニンファリーナデザインのBBを生産台数少ない順に並べると、365BB<512BB<512BBiという序列。もっとも珍重されるのはスカリエッティの工場で生産された初期の25台(50台説もあったような……)といわれます。で、ウン十年ぶりにスペック(最高出力)調べると、今回の「ぐむむ?」な事件へとつながるのです。 ぐむむ事件の詳細です。サクッと検索すると日本のウィキペディアが385ps<360hp/6800rpm<340hp/6000rpm。単位を統一しなさいと言いたくなります。続いてWeb記事見ると365で380ps/7200rpmとあり、なんとなくスパーカー少年だった当時に引き戻されます。他もチェックしましたが白黒つかず。ならばとオフィシャルサイトにアクセスすると、360hp/7500rpm<360hp/6800rpm<340hp/6000rpmの順。 さらに記憶と事実を合致させるべくヨーロッパのウィキペディア調べると、「プロトタイプが380hp/7100rpmだった」であり、「生産型が360hp」とあります。経緯説明があるのでちょっとは信用してもいいかなと思った次第。 キリがないのでまとめましょう。日本のウィキペディアはプロトタイプの最高出力380hpをps換算して385psと回答を得たかと思います。当時の自動車雑誌の掲載スペックも確か385psだったような。Web記事の380psはhpを単位換算せず掲載したと判断。現代車両のランボルギーニもその最高出力をhpからpsに換算すれば車名表記の数字を上まわることに。 スーパーカーって昔も今もミステリーのカタマリ。だから夢は永遠に続くのかもしれませんね。 末筆ながら、急逝されたパオロ・ピニンファリーナ氏(同社会長)のご冥福を祈ります。 Text:Seiichi Norishige
教重 誠一