田舎在住・定年間近の夫婦です。「自動車免許返納後」の移動手段がないため町へ引っ越したいのですが、費用はどのくらいかかるでしょうか…?
公共交通機関が充実していない田舎で暮らすためには、自動車が必須です。ただ、高齢になると、運転がむずかしくなるケースも出てくるでしょう。なかには、運転免許を返納して交通の便がよい町への引っ越しを検討する人もいるのではないでしょうか。引っ越しする際には、費用を工面しなくてはなりません。 本記事では、高齢者の運転免許返納率や返納するメリットなどに触れたうえで、引っ越し時のコストを紹介します。
高齢者の運転免許返納率はどのくらい? メリットは?
高齢になると、身体面や認知機能が衰えやすくなります。自動車の運転にも支障をきたす恐れがあることから、運転免許の返納を選択する高齢者も少なくありません。警察庁が公表している資料「運転免許の申請取消(自主返納)件数と運転経歴証明書交付件数の推移」によると、2022年(令和4年)の運転免許の申請取消(自主返納)件数は、44万8476件でした。 内訳をみると、75歳以上が27万3206件、75歳未満が17万5270件となっています。この資料からは、年齢が高くなるほど運転免許を返納する人が多いことが分かります。では、運転免許を返納すると、どのようなメリットが得られるのでしょうか。 運転免許を返納すれば、自動車事故を起こすリスクや運転免許証を悪用されるリスクがなくなります。免許更新の手間がかからなくなることも、返納のメリットです。また、自動車を手放せば、自動車税、ガソリン代、駐車場代、車検代などのコストもかかりません。 さらに、運転免許を返納した人は、地元のお店での割引や商品券のプレゼントなどの特典がもらえるといったメリットもあります。なお特典の内容は、地域によって異なります。これから運転免許の返納を検討している人は、自分の町の情報を調べておくとよいでしょう。
交通の便がよい町へ引っ越す場合のコストはどのくらい?
田舎で暮らしている高齢者が運転免許を返納したら、移動手段で困ってしまうことでしょう。運転免許の返納を機に、交通の便が良い町への引っ越しを考える高齢者もいるのではないでしょうか。 引っ越し時にかかるコストは、新しい町で賃貸住宅を選ぶのか、住宅を購入するのかで大きく変わります。交通の便がよい町は、田舎よりも地価が高いケースが多いため、住宅の価格や家賃も高めに設定されているケースが少なくありません。引っ越しを検討しているのであれば、その町の住宅事情をしっかりとリサーチしておいたほうがよいでしょう。 ・シニア層に人気のエリアの家賃相場 2023年12月にSBIアルヒ株式会社が実施した「本当に住みやすい街大賞2023」によると、首都圏エリアでは、浜町(東京都中央区)、西白井(千葉県白井市)、大泉学園(東京都練馬区)などがシニア層の間で人気となっています。 大手不動産サイトでこれらエリアのマンション(2K)の家賃相場を調べてみたところ、浜町が12.4万円、西白井が8万円、大泉学園が11.4万円でした。なお、賃貸物件を契約するための費用は、家賃の4~6ヶ月分程度が相場だといわれています。仮に、定年後に夫婦で家賃が8万円の賃貸マンションへ引っ越すとしたら、32~48万円程度の費用が必要です。 ・自動車を売却して引っ越し費用に当てる 運転免許を返納して、ほかの町に引っ越す場合は、ある程度の費用がかかります。費用面が心配な場合は、運転免許の返納と同時に自動車を売却して、それを引っ越し費用に充てるのも手です。