近年はより特殊なチタン素材を採用したモデルが増えている

グレード2チタンに加えて、グレード5チタンが時計の素材として定着しつつある現在。先進素材のひとつであったチタンの特別感や付加価値が徐々に薄くなってきたのか、近年はより特殊なチタン合金、独自技術で強度を高めたチタン素材を採用したモデルが登場するようになった。 【特殊チタンを採用したモデルをもっと見る】 今回はブライトチタン（純チタンの約1・5倍の硬度を備えたセイコー独自のチタン合金）、スーパーチタニウム（シチズン独自の加工技術と表面硬化技術でステンレススチールの5倍以上の表面硬度を実現）など、特殊なチタン素材を採用したモデルを紹介していく。

先進技術で製造、または加工が施された“特殊チタン”

【特殊チタンとは?】 グレード5と同じアルミ、バナジウム、炭素を含むチタン合金だが、鉄や酸素などの含有量を低くすることで高強度、耐食性を実現したグレード23チタン（ブランパンのフィフティファゾムスで採用）、グランドセイコーで使用されるブライトチタンとブリリアントハードチタン（JIS2 種の純チタンと同様に軽量なだけでなく、ステンレススチールの約2倍の表面硬度を備える）など、先進技術で製造、または加工が施された特殊なチタン素材のこと。

グランドセイコー 「エボリューション9コレクション テンタグラフ」

■Ref.SLGC001。ブライトチタン（43.2 ㎜）。10気圧防水。自動巻き（Cal.9SC5）。181万5000円

毎秒10振動による計時精度と、クロノグラフ作動時でも3日間（約72時間）のパワーリザーブを備えた9SC5を搭載するグランドセイコー初の機械式クロノグラフ。ケースとブレスレットにはブライトチタン（ステンレススチールと比べて約30%軽量で、純チタンの約1.5倍の硬度を備える耐傷性・耐食性に優れた独自素材）を採用。ケースとブレスレットを繋ぐかん幅を広くし、重心を低くすることで手首にしっかりとフィットし、活動的な動作の中でも安定した装着性を実現した。 【問い合わせ先】 セイコーウオッチお客様相談室 TEL.0120-061-012

ザ・シチズン 「高精度年差±5秒 エコ・ドライブ」

■Ref.AQ4091-56M。スーパーチタニウム（40mm径）。10気圧防水。光発電エコ・ドライブ（Cal.A060）。44万円

日本の伝統技法 “天然灰汁発酵建て（てんねんあくはっこうだて）”で染めた土佐和紙文字盤が個性を主張する、ザ・シチズンの高精度年差±5秒 エコ・ドライブ搭載モデル。外装にはシチズンの表面硬化技術デュラテクトを施したスーパーチタニウム（通常の純チタンに、シチズン独自の表面硬化技術（デュラテクト）を施した素材）を採用。ステンレスより約40％軽く、耐傷性に優れ（ステンレスの5倍以上の表面硬度）、錆びにくく、肌に優しいという腕時計に最適な素材となっている。 【問い合わせ先】 シチズンお客様時計相談室 TEL.0120-78-4807