投打にどん底、払った会心適時打 京都国際の森下 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第8日の27日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦が行われ、第2試合で初出場の京都国際は4―5で東海大菅生(東京)にサヨナラ負けし、初の8強入りはならなかった。森下瑠大投手(2年)は適時打も放ったが、最後は踏ん張れなかった。 【写真でプレーバック】京都国際―東海大菅生 ◇京都国際・森下瑠大投手(2年) たった1本の安打が好循環を呼び起こした。今大会出場32チーム中3人しかいない「4番・投手」を務める二刀流が、投打で本来の実力を取り戻した。 逆転した直後の五回2死二塁の打席。追い込まれたが、外角直球を逆らわずに流し打ち。甲子園8打席目での初安打が左前適時打となり、「ほっとした」と一息をついた。 1回戦も先発したが、直球が走らず5回2失点の上に打撃でも凡打ばかり。小牧監督も「投げても打っても、あそこまで状態が悪いのは初めて」と心配したが、初安打で気を良くしたのか、五回以降は見違える投球を見せた。捕手の中川が「球の勢いもキレも上がった」と振り返ったように、直球は打者の手元で伸び、右打者の外角ギリギリに決まり出した。五~八回はわずか1安打。2番手で考えていた平野が死球を受け、登板が難しくなった影響も感じさせない好投を見せた。 昨秋は背番号1だったが、今大会は背番号9。「チームの主軸は試合を決める立ち位置。こだわりがある」と話す4番に加え、エース番号を譲った悔しさを胸に投手でもチームを引っ張った。 しかし、勝利目前の九回、勝ちを急いで3点を失い逆転サヨナラ負け。「もっと自分の実力を上げたい」。新たな悔しさは、さらなる成長の糧となるはずだ。【藤田健志】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。