コインベースの収益、取引高減少や規制の不確実性により打撃を受ける可能性:アナリストが指摘
ウォール街のアナリストは、暗号資産(仮想通貨)市場のカタリストの不足と米大統領選挙に向けた不透明な規制環境が一因となり、第3四半期のコインベース(Coinbase)のスポット取引高はさらに低迷すると予想している。 この暗号資産取引所は30日の市場終了後に決算を発表し、ファクトセット(FactSet)の予測によると、第3四半期の収益は12億6000万ドル(約1927億8000万円、1ドル153円換算)となり前四半期の14億5000万ドル(約2218億5000万円)から約13%減少すると見込まれる。一方、1株あたり利益(EPS)は、第2四半期の0.14ドルから0.46ドルになると予測されている。 バークレイズ(Barclays)のアナリスト、ベンジャミン・ブディッシュ(Benjamin Buddish)氏はメモに「当四半期を通じて取引高は軟調に推移し、主に小口取引収益の低迷によって、ウォール街の予想をかなり下回った」と書いている。同氏はコインベース株を「中立」と評価し、第3四半期のEPS予想を1.62ドルから1.05ドルに引き下げる一方、目標株価を169ドルから175ドルに引き上げた。 第3四半期の取引高の低迷はコインベース特有のものではなく、業界全体の現象だ。The Blockのデータによれば、全暗号資産取引所で第2四半期に3兆9200億ドル(約599億8000億円)が取引されたのに対し、第3四半期は約3兆3000億ドル(約504兆9000億円)。コインベースの競合であるロビンフッド(Robinhood)もまた、30日の市場終了後に第3四半期の決算を発表する予定だ。 さらに、暗号資産取引所Crypto.comは、コインベースを初めて抜いて取引高が最も多い取引所になった7月以来、北米地域の投資家に最も人気のある取引所であることがデータから明らかになった。コインベースが取引高で劣っている理由の1つは、Crypto.comがより幅広いトークンを提供していることだろう。 アナリストたちはまた、次期大統領選挙の結果による規制の不確実性が、米国の取引所の取引高減少の主な要因の1つだと考えている。オッペンハイマー(Oppenheimer)によると、北米以外のスポット取引高は前四半期から61%増加。同社のアナリスト、オーエン・ラウ(Owen Lau)氏は「カタリストの不足と米国選挙が差し迫っていることがビットコイン(BTC)にマイナスの影響を与えたと考えている」としたうえで、「国際的な取引高は明るい点だった」と述べた。 オッペンハイマーは第3四半期の収益を12億9000万ドル(約1973億7000万円)、EPSを0.40ドルと予測。コインベース株を「アウトパフォーム」と評価し、今後12~18カ月の目標株価を282ドルとした。