「割安な」ディズニー株が快調、投資家の視線は委任状争奪戦の先に
(ブルームバーグ): 米ウォルト・ディズニーが年次株主総会でアクティビスト(物言う投資家)との委任状争奪戦を締めくくろうとしている中、強気派が株価を急騰させている。
株価は年初来35%近く値上がり。上昇率はS&P500種株価指数の3倍余りに達しており、動画配信サービスで競合するネットフリックスの25%上昇を上回る。予想を上回る収益、傘下のスポーツ専門局ESPNと動画配信サービス「Hulu(フールー)」に関する新戦略、人員削減によるコスト節減などが追い風だ。
ガーバー・カワサキの社長兼共同創業者、ロス・ガーバー氏は「ディズニーにはまだ実現していない価値が豊富にあると市場が気づき始めている」と指摘。「ディズニー株は、他のエンターテインメント銘柄に比べて割安であり、こうした認識が浸透しつつある」と述べた。
3日に開催される株主総会は、2022年11月にトップに復帰したボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)にとって新たな正念場となる。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、資産家ネルソン・ペルツ氏の率いるトライアン・ファンド・マネジメントとの委任状争奪戦において、投票数の半分が集計された段階でディズニーがリードしているもようだ。
ディズニーの予想株価収益率(PER)は24倍と、ネットフリックスの33倍よりも割安な水準だ。ディズニー株は市場全体に出遅れていた昨年から今年に入り好転したが、それでも2021年につけた最高値を約40%下回っている。
UBS、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、レイモンド・ジェームズのアナリストは最近、ディズニーの目標株価を上方修正。バークレイズは投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に引き上げている。
原題:Disney Investors Look Beyond Board Battle as ‘Cheap’ Stock Soars(抜粋)
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Carmen Reinicke