円は154円付近、米金利低下で買い優勢-トランプ氏発言で一時ドル高
(ブルームバーグ): 26日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=154円付近に小幅上昇。前日の米国長期金利の大幅低下を受けて、日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが優勢だ。トランプ次期米大統領がメキシコとカナダ、中国に対する関税方針を表明し、対円でもドルが買われる場面があったが一時的だった。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、トランプ氏が関税に言及した国の通貨やユーロが売られ、インフレ期待でドルが上昇する一方、円はリスクオフで買われ、対ドルでは動きが見えづらい状況と指摘。「関税が実際にかかり、ドルが上昇すれば、日本銀行は利上げせざるを得ないとの観測が円を支える構図となっている面もある」と述べた。
三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは、トランプ氏の関税引き上げ発言でドル・円は上昇したものの、「クロス円の下落が大きく相殺されている」と指摘。「日本よりも他の国の方が影響を受けるという思惑で、中国経済に関連してユーロも大きく下げている」と語った。
25日の米国市場で10年国債利回りは4.27%と前営業日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。ブルームバーグ・ドル指数も低下した。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、米長期金利はさすがに4.5%が遠くなった感じがするとし、「感謝祭の祝日が近く、やり過ぎた分の調整もあり、ドルの上値は重く、下値は153円台もおかしくない」と述べていた。
--取材協力:酒井大輔.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Hidenori Yamanaka