ゴルフ場を“退会させられる”人もいるの？

　では、自主的に退会するのではなく、ゴルフ場側から“退会させられる”人はいるのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。 「ゴルフ場の方からメンバー資格を抹消されるケースでは、退会ではなく“除名”という言葉が使われるのが一般的です」 「ゴルフ場のメンバーになることは、言い換えれば『仲良しクラブの輪に入る』ことであると表現できます。そのため、周りに配慮した振舞いや年会費の支払いといったルール・マナーを守らない行為が続くようであれば、やめさせられるケースも考えられます。重大な規約違反が発覚した際は、まずは資格停止処分もしくは懲戒処分が理事会の決議によって下されます」 「ここで規約違反の是正が認められればメンバー資格は復活すると思いますが、全く改善が見られないようなら“除名処分”となって、正式にゴルフ場を去らなければならなくなります。ただ、預託金制を採用しているゴルフ場は、たとえ規約違反による除名であっても、基本的にその人が支払った預託金（入会預託金）は全額返還する必要があるというのも特徴的です」 　また、ゴルフ場は地域ごとの連盟などに加入しているので横のネットワークも強く、お互いに情報共有することも珍しくありません。ですので、「とあるゴルフ場のメンバーだった何々という人物が出入り禁止になった」といった情報もすぐに周辺のコースに行きわたり、仮に他のゴルフ場の会員になろうとしても入会審査が通りにくくなるケースもあるようです。 　さらに、ゴルフ場の中には仕事や経済的事情、病気などの健康面での事情を考慮して「大学を休学する」のと同じように休会手続きを行い、年会費の発生を一時的に止められる制度を導入しているところも存在します。 　ゴルフ場の会員権は、バブル経済の時にピークを迎えたとされていますが、現在でも中には数百万～数千万円で取引されるものもあります。病気や経済的な事情で手放さざるを得ないのなら仕方がないかもしれませんが、せっかく手に入れたメンバー資格を迷惑行為によって剥奪されることだけは避けたいものです。