仙台市地下鉄南北線で新型車両「3000系」運行開始 2030年度まで順次切り替え
仙台市交通局が10月24日、地下鉄南北線新型車両「3000系」の営業運行を始めた。(仙台経済新聞) 【写真】仙台市地下鉄南北線新型車両「3000系」 1987(昭和62)年7月15日、八乙女駅~富沢駅間13.1キロを結ぶ路線として開業した南北線。1992(平成4)年には八乙女駅~泉中央駅間が延伸開通し、全区間14.8キロを運行する。 開業時に導入した「1000系」は、1988(昭和63)年に性能・デザイン・運用などで優れた新型車両に贈られる「ローレル賞」を受賞。バリアフリー化やサービスおよび機器の信頼性向上を目的に2003(平成15年)度から順次、「1000N系」に車両改修した。 南北線開業から30年以上が経過し一般的な耐用年数を迎えることから、3000系車両に更新する。2030年度まで順次、全車両を新型車両に切り替える。 3000系の外装は、市民の投票で「南北線車両からの進化」をイメージしたデザインに決定。「杜(もり)の都」をイメージし、グリーンをラインカラーとしたデザインで、「1000N系」同様に先頭形状は「くの字」形、ライトは前面ラインと一体化させて進化したイメージを打ち出した。内装は白と緑を基調に、定禅寺通りのケヤキ並木をモチーフとした座席柄、1000N系の配色を受け継ぐカラーデザインとした。 車内環境は、冷房能力を1.5倍に向上。車体にアルミ2重構造とペアガラス窓を採用し車内の静音性を高めるほか、車いす・ベビーカースペースと、座席中間の手すりを増設。各車両に車内カメラを4台設置し、車内セキュリティーを向上させた。 10月16日に発表された「2024グッドデザイン賞」を受賞し、審査員からは「ケヤキ並木をイメージしたシート・ファブリックと爽やかな木目調の仕切り板により、明るさの中にも静謐(せいひつ)さが漂う内装デザインとなっている。ホームと車両の段差が小さくなり、ペアガラスの採用により静音性が向上したことで、乗客の安全性と快適性の向上にも寄与している」と評価を受けた。 郡和子仙台市長は「多くの皆さま方に安心して安全に利用してもらえる、優しい乗り物になった。南北線をあまり利用していなかった方にも、新型車両に乗ってもらい、新たな魅力を感じてもらえれば」と話す。 新型車両の運行ダイヤは仙台市交通局のウェブサイトで公開している。
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