<アグレッシブ・’21センバツ東海大甲府>第2部 支える/3 中華店主・堀ノ内清広さん 元気の源、振る舞う /山梨
◇思い出に残るプレーを 東海大甲府近くにある「華宴(かえん)」(甲府市下飯田1)は野球部の村中秀人監督や選手たちの行きつけの中華料理店だ。店内の壁には同校がセンバツや夏の甲子園に出場した時の記念タオルなどが飾られている。店主の堀ノ内清広さん(67)はセンバツに向け練習に励む選手たちに「思い出に残るプレーをしてきてほしい」とエールを送る。 甲府市出身で、地元や東京都内の飲食店での勤務を経て、1984年10月に同店を開店した。ラーメンやチャーハン、ギョーザをはじめ、一品料理も豊富なメニューがそろっており、昼食時や夕食時は常連客らでにぎわう。東海大甲府野球部が大会で優勝した際は監督やコーチ、保護者らが参加する祝賀会が開かれることもある。 村中監督は99年に東海大甲府に着任したのを機に同店を利用するようになり、コーチや選手らと一緒に来店することも多い。昨秋の関東大会前も訪れ、かつて監督を務めた古巣の東海大相模(神奈川)との対戦を念頭に「一発ガツンとやってくるよ」と意気込みを語っていたという。堀ノ内さんは「大会後に『マスターやったよ。勝つって言ったでしょ』とうれしそうに話していたのが印象に残っている。監督は明るくて、おおらかな人」とその人柄を語る。 同店の店員が少なかった時期に引退した野球部員にアルバイトとして働いてもらったこともあった。「三浦(諒太)君(主将)をはじめ東海の選手はハキハキしていて礼儀正しい子ばかり」と笑顔を見せる。 堀ノ内さんは学生時代から大の高校野球ファン。春夏の甲子園はテレビ中継を録画し、閉店後に楽しむ。「必死にプレーする選手たちにいつも感動させられる」。東海大甲府の試合は甲子園に関係なくテレビ放送があれば録画しているという。 堀ノ内さんは選手たちに「人生の思い出に残るような試合をしてきてほしい」と呼び掛け、「店に来た時は元気が出るような料理を振る舞いたい」と語った。【金子昇太】=つづく