M&A仲介など15社に対策指示、中企庁 「悪質な買い手」問題で初
中小企業庁は30日、M&A仲介による事業承継でトラブルが多発している問題を受け、「悪質な買い手」によるM&Aの仲介や助言に関わった15社について、再発防止策を講じるよう指示したと発表した。悪質な買い手を排除する対策が徹底されるまでは国の委託事業での紹介を取りやめ、年度内に改善できなければ登録業者を続けることも認めない。 【写真】「悪質な買い手」を仲介業者に紹介され、M&Aから1年足らずで倒産した設計会社 中企庁は5月の朝日新聞報道などを受け、悪質な買い手によるM&Aの調査を開始。買い手が経営者保証を解除せず、買収先の現預金を抜き出すなどして倒産させる行為を繰り返したケースの中間報告をもとに、専門家でつくる第三者委員会に諮ったうえで処分を決めた。問題事例の調査は続けるとしている。 15社はM&A支援機関登録制度の登録業者。国の委託事業「事業承継・引継ぎ支援センター」は各都道府県に設けられ、希望する中小企業に登録業者を紹介している。ただ今回は、登録の取り消し処分には至らず、業者の社名は公表されない。
朝日新聞社