【映像】“松井5敬遠”28年後の馬淵×林対談 相手に見えるよう「ス・ク・イ・ズ」 ベテラン馬淵流、終盤の駆け引き(最終回)
まあ終盤が一番難しいですよ。九回2死から逆転やサヨナラで負けたことが、甲子園では何度もある。清宮(幸太郎=日本ハム)君の時の2017年センバツの早稲田実(東京)戦も、(投ゴロで)一塁へ投げたらゲームセットだったのを投手がファンブルして、拾ってすぐ投げればよかったのに3回も球が手につかなくて。次の清宮君を四球で出して、(延長十回で)負けたんです。サヨナラ負けは(18年センバツ3回戦の)日本航空石川。その前の試合の中央学院(千葉)は、九回2アウトから逆転サヨナラ3ランで勝って、次の試合は逆転サヨナラ3ランで負けた。甲子園でいつも通りできるような選手を普段から育成せないかん、と思いながらやっているんですけど、難しいですね。
両校が紡ぎ出す新たな高校野球の物語~取材後記
対談の動画を注意深く見てもらえれば、気がつくだろう。ユーモアを交えた馬淵監督の話を、林監督が熱心にメモを取っている。昨夏の甲子園で準優勝するなど実績もある林監督だが、対談を通じて学び取ろうという意欲を強く感じた。 以前に取材した際に馬淵監督は、林監督の野球への真摯(しんし)な姿勢に好印象を持っていた。その話を聞いた時、勝利のためにいちずに戦った28年前の馬淵監督と重なった。今回、両監督に対談をお願いした理由でもある。 1時間15分にも及んだ対談後、馬淵監督が「林さん、四国に来てくださいよ。カツオでも食べに」と水を向けると、林監督は「ぜひ、行かせてください。また試合をしてください。今度は勝ちたいと思います」と答えた。5打席連続敬遠があった平成を経て、令和の時代に再び甲子園の地で対戦する。コロナ禍で二つの甲子園大会が消えた今だからこそ、新たな高校野球の物語が紡がれていくことを願ってやまない。【安田光高】
第89回選抜高校野球大会1回戦、○早稲田実5―4明徳義塾●(2017年3月24日)
早稲田実が終盤の粘りで逆転勝ちした。2点を追う九回無死一、三塁から野田優人の三ゴロで1点を返し、2死一塁から横山優斗の投ゴロが失策を誘い、続く清宮幸太郎と野村大樹が連続四球を選んで押し出しで同点。延長十回1死三塁、野田が決勝の中前打を放った。明徳義塾は一回に3点を先取。八回に谷合悠斗の本塁打で加点も、先発の北本佑斗が制球を乱してリードを守れなかった。