米原の優位性を再確認 嘉田元滋賀県知事ら招き維新会合
●教育・前原代表「小浜、費用面で実現困難」 北陸新幹線の大阪延伸を巡り、日本維新の会は4日、小浜ルートを検証する会合を国会内で開き、教育無償化を実現する会の前原誠司代表(衆院京都2区)と元滋賀県知事の嘉田由紀子参院議員が工期や工費などの面で小浜より米原ルートに優位性があると説明した。一方、ルートを議論する与党整備委員会の委員長に就く西田昌司参院議員(京都府選出)は同日、北國新聞社の取材に対し「月内に開く委員会で『米原』を否定したい」と語り、「小浜」での整備が当然との認識を改めて示した。 「うわさレベルではあるが、小浜ルートの工費は倍増するという声が聞こえてくる」 4日の会合で前原氏はこう切り出した。「小浜」の工費は2016年の国土交通省の試算で2兆1千億円とされている。だが、資材費や労務費が高騰する現状ではこれを超過するのは確実で、前原氏は費用対効果の面から小浜ルートの実現は困難との考えを語った。 維新と教育は国会で統一会派を組んでいる。前原氏の発言にはオンライン出席を含む約20人の維新議員の多くがうなずき、「巨額を投入しても効果がなければ意味がないのではないか」との声も聞かれた。前原氏は「野党として声を上げても決めるのは与党であり、政権交代が必要だ」とも力を込めた。 嘉田氏は、過去に関西広域連合として「米原」を推し、当時の橋下徹大阪府知事、山田啓二京都府知事と議論を重ねてきた経緯を説明した。 ●「着工5条件は破綻」 京都では地下水への影響などから反対運動が繰り返されていることを念頭に「今は着工5条件が破綻しているような状況だ。早く関西につなげなければ、北陸の人がもっと東京に流れていく」と持論を述べた。 会合は「米原」を推す馬場伸幸代表の発案で開催されている。今後も週1回のペースで議論し、6月下旬までに結論を取りまとめる。最終的には政府・与党に「米原」への再考を提言する方針だ。