AIによる偽造サインが精巧すぎる…いよいよ日本の「手書き文化」が危機にさらされる驚愕の未来
手書きサインの価値がなくなった
近年「AIに仕事を奪われる」という話が広がっているが、これもその影響か。AI(人工知能)による技術の進化から、人が書くサイン(署名)も、本人が見分けのつかないレベルで作成できてしまうことを、各地の開発者が伝えている。 【マンガ】外国人ドライバーが岡山県の道路で「日本やばい」と驚愕したワケ 「契約書の署名なども偽造できてしまうので、将来的にはペンによる直筆のサインは無意味になってくるでしょう。顔や指紋認証の方にシフトしていくのでは」 こう話したのは台湾のエンジニアで、勤務先の作業所にあった部品と道具で、サインを模倣する機械を製造したという。 「署名を真似するだけならAIは不必要で、オリジナルをスキャンし、トレースで先端にペンが取り付けられたプリンターによるロボットアームで書けます。ただ、それだとまったく同じものを書いてしまうだけ。AIでは、信頼されるレベルで同一ではない署名を作成できるんです。 手書きサインを覚えさせ、その筆跡、筆圧から癖を読み取り、まったく同じものが存在しないように署名を無限にバリエーション生成するアルゴリズムを作りました。元の人物の署名をひとつインプットするだけでも(模倣サインを)作成できますが、サンプルが多いほど精巧になります。これは基本、グラフ上のデータポイントの広がりに適合する数式を生成する仕組みなんです」 エンジニアは「悪用を防ぐために」と、一部の写真しか公開していないが、200名から、それぞれ1~4つのサンプルを書いてもらい、それらと同じものではない模倣サインを機械に書かせた。そして、本物のサインと混ぜて2人の専門家に鑑定してもらったところ、両者ともに見分けられたのは、わずか4点しかなかったという。196点が、専門家によって本物だと思われたのである。 この技術が発展していくと、契約時の手書き署名は意味をなさなくなるかもしれない。未だ日本に残る手書き・ハンコ文化は、こういったAI技術による偽造サインによって大きな被害を受けるだろう。