フィルダーも本番で変わった!阪神ロサリオは伝説助っ人の再来となれるか
メジャーでは、昨年ア・リーグのMVPに輝いた安打製造機のホセ・アルトゥーベに代表されるように軸足を打つ瞬間にずらすように動かして下半身のパワーを増大させる「カニ挟み打法」というものがある。 ロサリオの右足移動打法は、決してセオリー無視の打法とも言えないのだが、阪神OBの一人は、「問題は左足。しっかりと踏み込んで右足が動くのであれば、そういう形で下半身を回す打法も理解できる。でもロサリオの場合、左足の踏み込みが浅く、右足に重心を最後まで残しているにもかかわらず軸足を動かす。これでは、まず内角の厳しいボールも外の変化球にも対応できない」と、厳しい指摘をする。 だが、外国人は、何かのきっかけで一変するケースが少なくない。 そこでフィルダーである。 高知・安芸キャンプの紅白戦では、サイドハンドの御子柴進(現スコアラー)に、もて遊ばれ、オープン戦では、3打席連続三振が2試合。果たして18打席で9三振とまったく日本野球に対応できなかった。“大型扇風機”と揶揄されていたが、オープン戦の終盤に日本流に適応する打撃フォームの修正に成功して爆発。“開眼”すると、開幕の広島戦で逆転ホームランを放った。 当時、阪神にいた評論家の池田親興さんもフィルダーの変身を目撃していた。 「フィルダーはオープン戦では、内角を攻められ、外の変化球で揺さぶられるというワンパターンにまったく対応できず三振の山を築いていた。確かオープン戦の終盤あたりで、村山監督が“なんとかしろ”と打撃コーチに改造を命じて日本流のステイバックを覚えてバットにボールが当たるようになった。元々、パワーは凄かったから、バットに当たりさえすれば飛んだ。打ち始めると、相手バッテリーも警戒して、逆にコントロールミスが起きるというプラスの連鎖が起きて大変身した記憶がある。 ロサリオは、まったくの未知数でオープン戦では悪いところばかりを露呈した。だが、一度でも、いい姿は見せたのだから、可能性はあるだろう。フィルダーの時は、熱血型の村山監督でさえ我慢した。ロサリオをベンチがどこまで我慢できるか、どれだけロサリオをサポートできるか。そこがカギになると思う。打線の中心になるロサリオが蓋を開けてみなければわからない現段階で阪神のAクラス予想は難しかったが……」