第4次産業革命ともいわれる「IoT」って何?
私たちの生活はどう変わる?
身の回りのモノがインターネットにつながることで、具体的に私たちの生活にはどんな変化があるのでしょうか? たとえば、家の中。照明は起床と連動して点灯し、ベッドは睡眠状況から健康状態をチェックする。洗濯機は洗濯後の天気を表示し、エアコンはその時に快適な室温を自動調節。冷蔵庫は外出先から中身を確認し、スマホで鍵の開閉や一時的な鍵の共有ができる――。家電を中心にIoT化の波が押し寄せ、SF小説や映画で描かれていた世界は近い将来、現実のものになると予想されています。 また、生活の足ともいえるクルマにも大きな変化が訪れるかもしれません。クルマがインターネットにつながることで、クルマを買い替えることなく機能がアップデートされ、自動運転の精度などもどんどん上がっていくことが見込まれます。また、運転の仕方に応じた自動車保険の提案、事故防止や渋滞緩和など、クルマ×IoTはさまざまな可能性を秘めているといえそうです。
IoTに潜むリスクと課題
私たちの生活を便利にしてくれるIoTですが、メリットだけではありません。あらゆるモノがインターネットにつながることは、同時にセキュリティリスクが高まります。たとえばサイバー攻撃を受けた場合、これまではデータの漏えいや流出が主な被害でした。しかし、モノとインターネットがつながれば、「クルマをハッキングして事故を引き起こす」ような人命を脅かす事態もあり得ます。 インターネットにつながるデバイスは、2020年には250億~500億台に上ると試算されています 。インターネットにつながる機器が増えることは、外部からの侵入ルートの増加を意味します。さらに、通信データ量が増大することで、危険データの検知が困難になる状況も考えられるでしょう。こうした状況を踏まえ、政府は今年9月 に「サイバーセキュリティ戦略」を閣議決定しました。IoTを取り巻く環境変化に対する備えは、急務となっています。 IoTは、今後ますます私たちの生活に当たり前の存在となっていくはず。しかし、自分たちの生活にどう落とし込み、付き合っていくのか。IoTが本格的に広まるには、まだまだ手探り状態が続きそうです。 (南澤悠佳/ノオト)