ロス近郊山火事の被害拡大続く、新たな火災発生-希望の光も浮上
(ブルームバーグ): ロサンゼルス近郊で発生した山火事との闘いは3日目を迎えたが、市内のいたるところで被害拡大が続いた。
当局の発表によれば、数千の建物が焼失した。衛星画像を見ると複数の区域全体が灰と化した。アキュウェザーは被害総額が1350億-1500億ドル(約21兆-24兆円)に上るとの推計を示した。被害額で米国の近代史上有数の自然災害になる見通しだ
ロサンゼルス市北部・西部で大規模火災の消火活動に当たっていた消防士らは、新たに起きた火災現場に何度も駆けつけた。当局は、住民が避難した地区での略奪・窃盗容疑で20人を逮捕した。
小都市の人口に匹敵する約18万人が避難を強いられている。一部の人は自宅が焼失した。
ロサンゼルス郡保安官によると、確認された死者数は5人のままだ。だが地元当局は、パリセーズ火事に関連した最初の死者を報告し、少なくとも5人の死亡がイートン火事に関連していると明らかにした。
9日午後にはロサンゼルス中心部から北西約50マイル(約80キロメートル)の距離にあるヒドゥンヒルズで新たな火災が発生した。このケネス火事による焼失面積は約800エーカー(約3平方キロメートル)に拡大し、この付近の住民に新たな避難命令・警報が出された。
ただ希望の光も見えてきた。パサデナに迫っていたイートン火事は勢いが弱まり、前日より延焼のペースが落ちた。ハリウッドヒルズで発生した比較的小規模な火災はすぐに収まり、周辺の住民は帰宅が可能になった。今週の火災を悪化させた強風は10日に弱まるとの予報が出ている。
「なお大きな脅威があるが、状況が変わる方向だと期待している」とロサンゼルス郡監督委員会トップのキャサリン・バーガー氏は語った。
原題:Los Angeles Fire Spread Slows as Toll in Homes and Damage Climbs(抜粋)
--取材協力:Rob Golum、Hannah Miller、Madison Muller、Eliyahu Kamisher.
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Brian K Sullivan, Mark Chediak