「投げている中で少しずつ張りが強くなっているのが分かった」山本由伸が緊急降板を語る
◆米大リーグ ドジャース2―7ロイヤルズ(15日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム) ドジャース・山本由伸投手(25)が15日(日本時間16日)、本拠地ロイヤルズ戦で先発したが、右上腕三頭筋の張りを訴えて2回28球、1安打無失点で緊急降板した。数日前から違和感があったといい、近日中に精密検査を受ける見込みだ。D・ロバーツ監督(52)は、負傷者リスト(IL)入りさせる可能性が高いことを示唆。ここまで14登板で6勝2敗、防御率2・92をマークし、状態を上げていた右腕がアクシデントに見舞われた。 急にベンチが慌ただしくなった。2回を投げ終えた山本がベンチ裏に下がると、大谷がわざわざしゃがみ込んで様子をうかがいつつ、会話を交わした。しばらくしてベンチ裏からプライアー投手コーチが小走りでベンチに戻り、ロバーツ監督のもとへ。首脳陣の表情は曇り、ブルペンも急きょ動き出した。 降板理由は、数日前から違和感があったという右上腕三頭筋の張りだった。山本は「投げている中で少しずつ張りが強くなっているのが分かったので、早めにコーチ陣に言って交代させてもらった」と説明。当初は中5日で13日に登板予定だったが、状態が思わしくなかったため登板日が2日遅れることになった。近日中に精密検査を受ける見込みだが「すごく感覚が悪いわけではない」と強調した。 異変は明らかだった。前回登板の7日ヤンキース戦では、移籍後最速98・4マイル(約158・4キロ)を計測し、最多の106球。だが、この試合の最速は95・9マイル(約154・3キロ)止まりで、直球の平均球速も前回より2・4キロほど遅かった。当初先発予定の13日に合わせて、11日にブルペン入りしたが、同日は投球練習用にユニホームを着てキャッチボールなどを行ったものの、本格的な投球練習はしなかった。コーチ陣らと話し込む姿もあった。それでもその後は「状態がすごく良くなった」。改めて入った13日のブルペンでは何度も始動の確認をするなど入念にフォームをチェック。試合前にも100メートル近い遠投をするなど、投げられる状態ではあったのは確かだ。 ロバーツ監督は負傷者リスト(IL)入りについて「可能性が高い」と明かした。離脱となれば、7月16日(日本時間17日)にテキサス州アーリントンで行われる球宴出場も絶望的。ここ数年は目立った利き腕の故障の少なかった由伸に、試練が訪れた。(安藤 宏太)
報知新聞社