ドラフト裏話「会見当日に体育祭の借り物競争」「監督はスマホで“小船どこ?”」198センチ腕が初指名の無名校に密着「広島育成1位の評価は…」
ドラフト会議の中継では華やかな1位指名選手の笑顔、ストーリー性を持つ選手が特集される。その一方で長時間にわたって指名を待つ、数多くの選手がいる。育成指名を受けた2選手の会見場の"テレビに映らない"現場レポートをお届けする〈全2回〉 【写真】「で、デカい…」198センチ腕・小船は「会見前に体育祭の借り物競争してた」、「会見場は学校の会議室」知徳高校のワタワタぶりと“阪神育成3位指名に女性が涙”くふうハヤテの会見も見る
「小船、今どこにいる?」
喜びの一声は、創部69年の野球部に新たな歴史を刻んだ。 静岡県長泉町にある私立知徳高校の小船翼投手は、ドラフト会議の中継を見ていた別室から記者会見場に現れた。 「指名されて本当にうれしいです。少し緊張はありました」 午後7時37分。すでに支配下登録選手の指名は終わっていた。広島の育成指名の1巡目。最速152キロ右腕・小船の名前が呼ばれた。知徳では校名変更前に2人のプロ野球選手が誕生している。だが、独立リーグや社会人を経由してプロ入りしているため、高校から直接ドラフト指名されたのは小船が初めてだった。 知徳史上初の快挙に備え、学校関係者は期待と不安が交錯していた。 時計の針を巻き戻す。小船が広島から指名を受ける3時間半前に“事件”が起きていた。 ドラフト会議を約30分後に控えた午後4時13分。記者会見場で学校関係者がざわついた。男性教師が会見場に困惑した様子で現れ、知徳の初鹿文彦監督に声をかける。 「小船が見つからないんです」 この日の主役、小船がいなくなったという報告だった。予定していた時間になっても、写真撮影するグラウンドに来ていないという。 小船の身長は198センチ。待ち合わせ場所で目印にされそうなほど、どこにいても目立つ。その小船が“消えた”のだ。初鹿監督がポケットからスマートフォンを取り出して、小船に電話をかけた。 「今、どこにいる? そうか。これから写真撮影あるからな」 小船は約束通りグラウンドで待機していた。混乱する関係者と対照的に冷静だった。安堵した人たちから声が漏れる。 「あんなに大きいのに見えなかったのかな」 毎年のようにプロ野球選手を輩出している高校であれば、ドラフト会議の対応は年に一度の行事となっている。しかし、知徳にとっては特別な日。関係者が慌てるのは当然と言える。
【関連記事】
- 【つづき→】「え、調査書1枚だけ?」阪神育成3位に涙ぐむ女性、早川大貴も目を赤くして「悔しいと思いますが」くふうハヤテ会見に記者が密着
- 【写真】「会見前に体育祭の借り物競争してました」198センチ腕・小船がデカい…「会見場は学校の会議室」知徳高校のワタワタぶりと“阪神育成3位指名に女性が涙”くふうハヤテの会見も見る
- 【貴重写真】大谷17歳、超細いのに甲子園で衝撃の特大HR、ぷっくり捕手な村上17歳。ガリガリな柳田、ヤンチャそうな学ラン姿の張本、実は投手だった王さん…名選手160人超の高校時代を見る
- 逸材は甲子園以外にも…プロスカウトに聞く「センバツ後、最初に見に行く選手は誰?」大注目は“静岡の山下舜平大”と“宗山越えの逸材ショート”
- ドラフト指名されなかった君へ「2度指名漏れから1位」ヤクルト・吉村貢司郎の金言…「悔しさを生かすも殺すも自分次第」「諦め悪いですね(笑)」