「虎に翼」で注目?最高裁裁判官の国民審査で10%超がバツ 専門家「裁判官はどれくらいバツか付くか気にしている」
■最高裁裁判官はどこまで知られているのか
選挙の候補者と異なり、国民審査では裁判官がアピールする機会がないため、知名度に乏しい。また、顔写真もなく、名前だけが書いてある状態で、選び方に困るという意見もある。 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、「わからない人がほとんどで、たまに調べる人がいる」といった現状を踏まえて、「わからないなら、とりあえず×を書く」という投票行動を提案する。「×の平均が30%になれば、ちゃんと考えた20%が加わって、50%に達する。国民感情とずれると、裁判官も気をつかうようになり、日本社会にとって良くなるのではないか」。 なんもり法律事務所の南和行弁護士は、「どう判断材料を提供するか」に着目する。「自分の価値観や、法律についての見識を語る機会は、もっと多くていい。判決後には『私は憲法違反じゃないと思っている』など、それぞれの裁判官の意見が出るが、それを記者会見でも行えばどうか。日頃から“自分の意見”を表明する場を持てば、国民審査の時に『この人は前からどうかと思っていた』と×を付けられる」と提言する。 西川氏によると、かつて第2回の国民審査では、対象だった5人がラジオ出演したこともあるという。「NHKラジオ第1で15分間。所見を1人3分語った事例がある。その時だけは記者会見も行った。前例があるため、政見放送やYouTubeでも行えるのではないか」。
■過去に罷免者ゼロ「×」をつけることに必要性
今回審査対象になった裁判官は、全員が60代だ。「かつては50代の裁判官も多く、定年の70歳までに、もう一度審査される人がいた。しかし、2回目の審査を受けた人は、歴代190人以上のうち6人だけ。当初の想定より、高齢化が進み、就任ルートも硬直化してきた。各ジャンルの重鎮となると、60歳を超えてしまう」。 ひろゆき氏は「罷免率10%は、国民にとって『ものすごい問題を起こした人はいない』ということ」としつつ、今後の動きを予想する。「同性婚が最高裁で認められると、×を付ける人は増えるのではないか。ただ、どの判事が、どの判決で有罪・無罪を出したかは、誰も覚えていない。結果として、誰だかわからず、みんなに×を付ける雑な感じになってしまう」。 そして、情報提供を増やすためにも、“×”を呼びかける。「『わからないから×』が増えれば、最高裁は情報を出さざるを得ない。ある程度、×の割合を高めていくのがいいだろう」。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部