「紀州のドン・ファン」元妻への無期懲役求刑に若狭弁護士驚き「30年ぐらいかと思っていた」
2018年に「紀州のドン・ファン」と呼ばれた和歌山県田辺市の資産家・野崎幸助さん(当時77)に覚醒剤を摂取させ殺害したとして、殺人罪に問われた元妻・須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が18日、和歌山地裁で開かれた。検察側は「被害者の意思に反して命が奪われ、財産も奪われた結果は重大だ」と無期懲役を求刑した。 * * * * 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、元妻が検察側に無期懲役を求刑された件について「私は30年ぐらいかと思っていた。かなり検察側が強気だなという印象です」と驚きの声をあげた。 若狭氏は「今回のケースは、状況証拠だけで『財産目的の殺害だった』と言えるのかどうかがポイント」としたうえで「検察は長年にわたって完全犯罪として計画していたとみている。だったら相続財産が目的なのは明らか、ということなのでしょう」と強気の理由を説明した。 一方で「今回は(重罪になる)強盗殺人罪ではなく、単純な殺人罪で起訴されている」とも指摘。「特に夫婦間の殺人で、無期懲役となったケースはほぼ聞いたことがない」とし、実際に無期判決となる可能性は「なくはないが、高いとは言えないでしょう」と推測した。
報知新聞社