「新しい服が欲しい!」からわかる人間の心理(前編)。だから私はセールに行くのをやめた【エディター昼田祥子】
こんにちは、エディターの昼田です。 先日のSENNのトークイベントのときもでしたが、私に相談に来られる方がよくおっしゃるのが 「安いから買う」は本当にお得?ファッションエディターがセールに行くのをやめた理由とは? 「私、服が好きだからすぐ服買っちゃうんですよ~」 うんうん、分かりますよ、それ。私もそうでした。 「服捨て」するまえの私は「服が好き」なのだから「新しい服を買いたくなる」のは当然。この沸々と自然発生する「服が欲しくなる衝動」は止められないのだと思っていました。 でも、今の私の見解は違います。 服が欲しくなるのは、「服が好きだから」ではありません。 今日は、どうして人は服が欲しくなるのだろう、という私がずっと考え続けてきたテーマについてお話したいと思います。
その答えを出すにあたってまず考えたのが、私はどんなときに服を買いたい衝動が湧いているのか、です。セレモニー用の服など必要に迫られて買うケースを除いて、ふと欲しくなる瞬間はどんなときか。明らかに外的な要素に反応しているわけですが、自分のことを観察してみると以下の3つのパターンがありました。 (1)セールのとき (2)嫌な出来事があったとき (3)SNSなどで刺激を受けたとき 具体的にみていくと 【(1)セールのとき】 セールだと特に欲しいものがなくても「何かいいものないかな」と物色してしまう。値引き率が高いと「何か買ってもいいかも」と気が緩んだり、「なんか買っておかなきゃ! 」という思考に陥りがちです。それは「欲しい」や「買いたい」よりも「損をしたくない」という心理が働いてしまうからなんですよね。 そして、これは私の失敗談。
以前欲しいと思ったものが値引きされていると、ラッキー! と買ってしまうこともありました。でもね、不思議なことにそういうものこそ飽きが早かったり、ワードローブに長く根付くことはありませんでした。なぜか? それは買わなくても今日までやってこれたわけですから、あのとき抱いた「買いたい気持ち」はもう消化されてしまっているのです。今日オムライスが食べたかったとしても明日もそうとは限らないように、「欲しい」の感情は刻々と変化しています。 ですから「欲しかったものを買った」と思いきや、「(さほど欲しくないけど)安いから買った」のだと気づきました。 セールで買った、あったら使えそうな白パンツ。 セールで買った、プロパーだと手が出なかったマフラー。 どちらもあっという間に気持ちが変わり、手放してしまいました。 「安いから買った」は、愛情も薄く、手放すのも早め。だとしたら「安いから買った」は損しているんですよ。セールで損したくないなら買わないことが一番だと気づいてからは、セールに行くのをやめました。