B'zとYOASOBIが“紅白歌合戦に名前なし”だったワケ 深刻な「NHKタイアップ曲の不発」
■YOASOBIの楽曲は「中高年」には厳しい? 一方、昨年はアニメ「推しの子」の主題歌「アイドル」が世界的に大爆発するなど今が旬のYOASOBIだが、「舞台に立って」もパリ五輪テーマ曲としての印象が薄いとの意見が目立つ。過去の五輪テーマ曲は、1996年のアトランタ五輪の大黒摩季「熱くなれ」や2004年のアテネ五輪のゆず「栄光の架橋」のように、誰もが口ずさみたくなるような親しみやすさを持っていた。それに対し、今曲はサビのメロディーや歌詞が複雑で耳に残りづらいという弱点も指摘されている。 「YOASOBIの楽曲特有の高音域を多用した構成が、五輪を視聴する幅広い層に受け入れられにくかった可能性はあります。YOASOBIの楽曲スタイルは、支持層である若者にとってはおなじみですが、中高年世代にとっては聴き慣れない音楽性であり、感動を共有するための共通言語にはなりにくかったのではないでしょうか。YOASOBIのボーカル・ikuraは、今年公開された劇場アニメ『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』にて、幾多りら名義で『あの』とのスペシャルコラボソングを披露し大きな話題を呼んでいます。この2人を出場させれば視聴率に大きく貢献しそうですが、それだとNHK的には“赤っ恥”となってしまうので難しかったのかもしれませんね」(音楽番組スタッフ) B'zとYOASOBIという二大アーティストを起用しての大規模タイアップ戦略の先には、当然「紅白」も視野に入っていたはずだが、ここまで“不発”に終わるとはNHKも予想していなかったに違いない。 (泉康一)
泉康一