海外メディアは東京五輪の1年延期合意をどう受け止めたか「なぜ今まで時間がかかった?」「まだ中止の可能性も」
また来年に予定されている各種の国際競技会との調整についても触れ、「夏季五輪を構成する競技は33あり、これは33の国際スポーツ連盟が、五輪の新しい日程に順応しなければならないことを意味する。例えば、陸上の世界選手権は2021年8月の開催が予定されていた。五輪開催と日程が重なれば、大会は、おそらく中止か日程変更され、選手たちは、代わりに五輪に参加することになるだろう。この競技の国際組織となるワールドアスレチックスは、五輪日程を避けて日程変更する可能性を受け入れると言及している」と紹介。 だが、一方で「サッカーといった競技は、国際試合や主要プロリーグで日程がすでに多く埋まっており、日程変更は、手ごわい作業となっている。公式声明で述べられた五輪の日程を『2020年より先だが、2021年夏よりも遅くない日にち』とした正確な意図は不明なままだ。だが、五輪が春に開催されるのであれば、NBAシーズンを含めて、どこかでスポーツの日程が影響を受けることになるだろう」と問題提起した。 さらに今後、急転、中止になる可能性についても切り込み、「場合によってはイエスだ。IOCと日本政府が中止を明確に排除したが、新型コロナの影響で物流上の困難が今後、数カ月で克服できないとなれば、(中止の)可能性は残る」との見解を伝えた。 「五輪は世界でスポーツやそれ以外でも、最大のイベントの1つで、大規模な要素が関わってくる。施設も維持される必要がある。請負業者は再雇用される必要がある。何百という契約が修正される必要がある。IOCと日本政府は、これらの障害を乗り越えることができるはっきりとした自信を持っており、彼らの延期の決定はその証拠となる。だが、実際に打開していくということと(自信があるということは)異なる」と記した。 また最後に「この決定は2022年の冬季五輪に影響するだろうか」という点に触れ、「確実にノーだ。IOCは夏季五輪が2022年の2月に北京で始まる予定の冬季五輪に影響を及ぼすとの言及は一度もしていない。だが、この決定で夏と冬の五輪の間隔が、約8カ月から12カ月の間で開催される可能性が高くなるという興味深い状況となる。IOCは1992年以来、夏と冬の五輪を同じ年に開催していない」と記した。 1年延期は合意されたが、問題は山積み…それが海外メディアの大方の見解。IOCと東京五輪組織委員会は、今後、高いハードルを乗り越えていかねばならない。