愛車のヘッドライトがない… 部品不足で盗難被害増加、ディーラーも知らずに購入? 欧州
狙われるのはフロント? 警察も動くが…
イングランド中部のウェスト・ミッドランズではこの問題が深刻化しており、同州警察は「ショップ・ア・チョップ・ショップ」と呼ばれる取り締まりキャンペーンを開始。しかし、それに呼応するように、犯罪者は立ち並ぶ車両から部品を盗んでいる。 この種の犯罪は通常、保険金請求を避けたい若いドライバーから部品を求められることから、比較的安価なクルマがターゲットとなることが多い。しかし、車両管理会社AXイノベーションの調査サービス担当ディレクター、ニール・トーマス氏によれば、近年では高価なモデルが狙われやすいという。 「先日、あるユーザーがホテルの駐車場に停めていたレンジローバーからフロントグリルとヘッドライトを盗まれました。当社が回収したBMW M4コンペティションもヘッドライトがなくなっていました」とトーマス氏は言う。 「ほとんどの事故ではフロントエンドが損傷します。現在不足しているグリルやライトの需要から、犯罪者が簡単に転売できることが推測されます」 ネット広告に出ている盗難部品が、知らず知らずのうちにディーラーで購入される可能性もあるため、自動車メーカーはディーラースタッフに部品の出所を確認するよう提言している。 一方、英国自動車リサイクル協会(VRA)は業界標準を高めるため、廃車からの再利用部品に対してVRA基準と呼ばれる認証スキームを開発した。同スキームに参加する企業は、販売する部品を正確に識別・記録・検査する。 オンライン販売のeBayも認定リサイクル品(Certified Recycled)制度を開始した。販売業者の信頼度と中古部品の品質を保証するもので、返金保証にも対応している。
ジョン・エバンス(執筆) 林汰久也(翻訳)