“スーパーサブ”FW喜屋武侑真が投入1分後に決勝ゴール!逆転勝ちの宜野湾が沖縄決勝進出
[11.2 選手権沖縄県予選準決勝 興南高 1-3 宜野湾高 タピック県総ひやごんスタジアム] 【写真】「昇天した」「救急車で運ばれちゃう」伊東純也のモデル顔負けショットに大反響…久保建英らも脱帽 自他ともに認めるスーパーサブがチームを3年ぶりの決勝進出へと導いた。 前半終了間際に興南高の10番・新垣輝(3年)に右サイドの角度のないところから直接ゴールを決められ、今大会初めてリードを奪われた宜野湾高。しかし、3年生FW喜屋武(きゃん)侑真はベンチでひとり気持ちを昂らせていた。 「先発で出られる力はあるけれども、途中から出たほうが好影響を与えてくれる」と、宜野湾の天願匠監督は左FW金城侑之慎(3年)を先発させ、途中から喜屋武へスイッチする形を選択した。 ともにスピードのある選手だが、金城は一瞬の速さで勝負するタイプに対し、喜屋武は長い距離を加速度上げて駆けることができる上、「3人目の動き」をひた向きに体現できることから、後半勝負をかけるうえで不可欠なアタッカーである。喜屋武はそのプレースタイルをしっかりと理解し、アップ中から「ゴールを決めることだけをイメージしていた」という。 後半7分、FW新屋歩武(3年)が同点弾を決め、振り出しにした宜野湾。時間が経過するごとに次なる1点の重要性が増していく中、後半29分。金城と代わって切り札が満を持して左FWのポジションへ向かう。そして1分後、すぐさま膠着状態を打開した。 攻撃を牽引するボランチの島袋佑(3年)が前線の比嘉憲聖(3年)へ浮き球のパスを送ると、ドリブルでボックス内へ進入。「憲聖が体を張ってキープしてくれていたので絶対に来ると信じていた」という喜屋武は、自分の上がりを待ってくれていた比嘉からボールを受け、右足シュート。イメージ通りにしっかりとネットを揺らし、貴重な勝ち越し弾を決めた。 リードした宜野湾は後半40+2分に島袋が追加点を奪い、3-1で決着。那覇西高と全国切符を争うこととなった。試合後、落ち着いた口調で「決勝戦でも自分のプレーを見せることでチームに勢いと勇気を与えたい」と話した喜屋武は、賜杯を争う舞台でもブーストをかける存在として大一番へ挑むと誓った。 (取材・文 仲本兼進)