新幹線で手荷物検査はできる?専門家がコストを試算
新幹線の安全策の対案は
阿部さんは手荷物検査という方法に関し、「莫大なコストとスペースを必要とし、現実的ではない。利用者の利便性も下がる」と話す。対案の一つとして、国土交通省が検討してきた「不審者検知・追跡システム」の活用をあげる。駅構内や列車内の監視カメラを増設することで、荷物を放置した人や挙動不審な人をモニター上で検知して追跡し、必要に応じて駅係員や車掌が現地に急行するシステムだ。 阿部さんは「プライバシー侵害との関係をどう整理するかが課題となるが、今回の事件から連想されるテロの脅威を考えるなら、社会的合意はまとまるのではないか。技術的には充分に可能で、税金の投入や多少の運賃アップで実行が可能」としている。阿部さんの考える鉄道テロ対策については、講談社「現代ビジネス」住みたい街2015【沿線革命】に詳しく記載されている。 国土交通省鉄道局の担当者は手荷物検査の是非について、「1つの提案ではあるが、(導入するかどうかについては)どちらともいえない」と話し、今後の対策としては「まず各社に警備を強化するところから始めてもらい、対応について引き続き検討していきたい」と話した。(THE EAST TIMES)