大の里、大関でも「今まで通り」 大相撲九州場所
「大関として初めての場所。一年最後の場所をいい形で締めくくりたい」。大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)の番付が28日に発表され、新大関大の里(津幡町出身、二所ノ関部屋)は西の2番目に座った。福岡市内の宿舎で会見した大の里は「深く考えすぎず、今まで通りの気持ちで頑張りたい」と語り、白鵬(現宮城野親方)以来の新大関優勝が懸かる九州の土俵を見据えた。 【写真】大相撲九州場所の番付表を手にする新大関大の里=28日、福岡市の二所ノ関部屋宿舎 昭和以降最速となる所要9場所での大関昇進を果たした大器は番付表を手にし、「名前が載って、大関になったんだなという実感が湧いた」と感慨に浸った。 新大関誕生は今年春場所の琴ノ若(現琴桜)以来で、2場所ぶりに3大関となった。「大関として経験を積んでいけば、さらに見えてくるものがあると思う」と気合を入れる。 快進撃を続ける大の里には早くも横綱への期待も高まる。2場所連続優勝となれば、番付の頂点も見えてくるが「まだ考える余裕はない」と謙虚さを口にした。秋巡業では6日の大相撲金沢場所(北國新聞社主催)で金沢市も訪れた。「石川や新潟にも行って、全国各地でたくさんの声援をいただいた。それを力に変えられるように頑張りたい」と力を込めた。 一抹の不安は稽古不足だ。秋巡業を「アデノウイルス感染症」による体調不良で途中から離脱した。影響が懸念される中で「徐々に体も動かしている。初日に向けて焦らずにやっていくだけ」と前を向く。29日にも稽古を再開し、初日に照準を合わせる。 ●「気負わずに」 父・中村知幸さん 大の里の父・中村知幸さん(48)は番付発表を受けて「本当に大関になったんやなあ」と感慨に浸った。九州場所に向けて「気負わず、いつも通りの相撲を取って大関の重責を果たしてほしい」と話した。 町大の里後援会長の矢田富郎町長は「名実ともに大相撲の顔であり、地元としても大変うれしい。近い将来、さらに上へ到達することを期待する」と話した。