娘の友達はまさかの「放置子」。早朝に尋ねてくる4歳の少女に振り回された主婦の奮闘記【書評】
自分さえ我慢すればいいと思い、耐え続けてきたさくらが心身を疲弊しなくてもいい夫婦関係を求め、夫との関係を再構築していく過程に胸が熱くなる。 そして、変わっていくさくら夫婦と対比して、みっちゃんを取り巻く、ない子夫婦の事情も描かれているため、双方の夫婦関係を通して、自分たちの夫婦仲を見つめ直したくもなるのだ。 子どもが生き生きと安心して過ごせるかどうかは、親自身の生き方や夫婦関係が大きく影響する。だからこそ、まずは私たち大人が心身を削りすぎない生き方をし、話し合いができる夫婦関係を築いていくことが大切。それは結果的に、大切な我が子の心身を守ることに繋がっていくはずだ。 我が子に安心できる家庭だと思ってもらうためには、私や我が家にどんな変化が必要なのだろう。本作は、そんな自問自答も授けてくれる1作である。 文=古川諭香