欧州初V→まさかの“病”を経験した星野陸也 来季は米ツアーに専念「欧州での学びを生かして」
DPワールド(欧州)ツアーの2年目をポイントランキング16位で終え、来季のPGA(米国男子)ツアー出場権を手にした星野陸也。11日に行われたPGAの記者会見で、今季の振り返りと来季への抱負を語った。 【写真】ノリノリできつねダンスを踊る小祝さくら 「PGAツアーは、僕がゴルフを始めた一つのきっかけ。最終戦までしっかり戦い抜いて、出場資格を獲ることができたことにホッとしています」と、安どの表情を浮かべた。 激闘の2024年シーズンは、昨年11月のオーストラリアから始まった。開幕戦の「フォーティネット・オーストラリアPGA選手権」で2位に入ると、「ISPS HANDAオーストラリアオープン」ではホアキン・ニーマン(チリ)とのプレーオフに敗れたものの、2大会連続で2位の好スタートを切った。 年明け以降も勢いは止まらなかった。迎えた2月の「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」。3日目に首位タイに浮上した星野は、最終日にも「68」をマークし、後続に1打差をつけて欧州ツアー初優勝を飾った。「最後のパーパットは、心臓の音が聞こえるぐらい緊張した」。“ドーハの歓喜”だった。 しかし、4月中旬に肺の痛みと呼吸困難を伴う「気胸」を発症。約2カ月の休養を余儀なくされた。その後、ツアー2勝目を挙げることはできなかったが、トップ10入りは4回。無事に、米国のツアーカードを手に入れた。 欧州ツアーで戦った2年間を振り返り、「ずっと、ヨーロッパを転戦してきた。芝の環境や風がコースによって全然違ったり、ゴルフ以外の文化のことだったり、いろんなことをたくさん学ぶことができた。アメリカでもその学びを生かしていきたい」。 語学力についても、この2年間で自信を深めた。「初めは英語を話すことができなかった。でも、ヨーロッパの選手と仲良くなって、かなり話しかけてもらった。自分も簡単な英語で会話したりしていたので、聞き取りはなんとなく分かるようになってきた。少しずつ上達していると思います」。米国でもこの経験を生かす。 米ツアーデビュー戦は開幕2戦目の「ソニー・オープン・イン・ハワイ」(米ハワイ州・ワイアラエCC、1月9日開幕)になる。「(ディフェンディングの)カタールの大会には出たいですが、まずはPGAツアーに専念しようと思います。アメリカでいい成績を早めに挙げることができれば、日本やヨーロッパの試合にも出ることができると思うので、自信をもって戦っていきたい」。当面の目標であるシード権の獲得に向けて、ルーキーシーズンを戦い抜く。(文・神吉孝昌)