プロオンリーではありません。アンチ大慣性モーメントにおすすめ。『タイトリスト GT4ドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
低スピンで強弾道
ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏にクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドは10.0度、シャフトは「TOUR AD DI-6」(フレックスS)です。掲載数値はすべて実測値となります クラブの長さは45.38インチとやや長く、クラブ重量が319.3グラムと「非常に重く」、そしてスウィングウェイトがD5.0と「非常に大きい」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが299万g・㎠と「非常に大きく」なっています。計測数値のみで推察するとドライバーのヘッドスピードが「50m/s」くらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。 投影面積は小ぶりで、全体に丸型のオーソドックスな形状、兄弟モデルの『GT2』や『GT3』と比べてフェース面のバルジ(丸み)がきれいに付けられ、フェース面のトウ側に逃げ感が出ています。アドレスでは『GT2』や『GT3』のような強いオープンフェースではなく、スクエアフェースの設定です。
実際に試打したところ、リアルロフト角設定が10.5度と大きいおかげで、『GT2』や『GT3』よりもボールが上がりやすいイメージが出ています。試打シャフトは素直なシナリ感で振りやすく、インパクトの再現性が良かったです。インパクト音は「GT2→GT3→GT4」の順に少しずつ高くなっている感じです。そしてクラブ重量が重く、スウィングウェイトがとても大きいので、しっかり振り切るにはかなりのパワーが必要です。 ヘッド体積が442ccと小ぶりなヘッド設計から、『GT2』や『GT3』と比較するとヘッドの重心深度が「さらに浅く」設定されています。インパクト付近をレベルにスウィングしやすく、スイートスポットの高さが低いので、低スピンの鋭い弾道を打ちやすくなっているのが大きな特徴です。 2018年の『TS4』から始まった4シリーズですが、小ぶりなヘッド、浅い重心深度、低いSS高さは踏襲されています。ヘッドの慣性モーメントが4225g・㎠(基準値:4600~4799g・㎠)と小さく、寛容性が高いヘッドではありません。一方でヘッドの操作性を判断できるネック軸回りの慣性モーメントが6639g・㎠(基準値:7000~7299g・㎠)と小さく、インテンショナルに弾道を操作できて尚且つ、ボールがつかまえやすいヘッド性能と言えます。 フェースの反発性能は『GT2』や『GT3』と同様に標準的ですが、バックスピンが抑えられる重心設計なので、スピン量が多いゴルファーにとっては試打してみる価値があるドライバーです。 ※週刊ゴルフダイジェスト2024年11月5日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト