INI木村柾哉が選ぶ究極の二択「人生最後の日はいちばん大切な人と二人で過ごします」
柔太朗とは昔の動画を観返していました
親友・成田役を演じた山中柔太朗とは、山中がM!LKとしてデビューする前に講師としてダンスを教えていたというつながりがある。 「柔太朗くんが成田役って聞いたときは、すごくびっくりして。先生と生徒という関係だったので、親友役ということに柔太朗くんのほうが気を遣っちゃうかなと心配だったところもあるんですけど、いざ顔合わせのときに本読みをしてみたら、ぎこちなさなんて一切なく。スッと直己と成田のようなフラットな関係に入っていけました」 ダンスを教えていたのは、山中がまだ高校生のとき。およそ6年ぶりに会った山中は、木村が知る頃よりもずっと大人びた顔をしていた。 「僕がダンスを教えていた頃はまだあどけないというか、顔もおぼこかったんですよ。それがすっかり大人の顔つきになって、やっぱり雰囲気が変わったなと思いましたね。でも性格はそんなに変わっていないかも。昔から落ち着いていましたし、そんな中にも可愛らしいところがあって。柔太朗くんは柔太朗くんだなって思いました」 直己と成田のやりとりは、男の友情らしくさっぱりしていながらも息ぴったり。あのナチュラルな空気感は、木村と山中の関係性だから生まれたものだ。 「空き時間はずっと他愛もない会話をしていました。柔太朗くんが、僕がダンスを教えていた頃の動画をまだ持っていて、二人でそれを観返したり。僕はもうその動画を持っていなかったので懐かしかったですね。柔太朗くんはもともと生徒ということもあって、どこか弟っぽいところもあるんですけど、今は良き友人でもある。撮影が終わった後も気にかけてくれて、たまに柔太朗くんのほうから連絡をくれるんですよ。そういうところが可愛いですよね」
中途半端な優しさが時に残酷になることもある
そんな木村だけに、本作のテーマである「恋愛をとるか、友情をとるか」という二択への回答は迷いがない。 「僕は友情ですね。恋愛は、いつ気持ちが消えるかわからない。でも友情は永遠ですから」 直己をめぐりライバルとなるあこ子と充希。時に相手を出し抜きながらも本音をちゃんとぶつけ合う女性同士の友情は、男性である木村から見ると新鮮だったようだ。 「やっぱり女の子の友情って男のそれとはちょっと違いますよね。あこ子と充希もそうだけど、お互いのことを理解して、ちゃんと大切に想い合いながら関係性を築いていく。心からつながり合ってる感じが綺麗だなと思いました」 一方、木村が考える男の友情はというと。 「男の友情はもっとノリというか、フィーリングです。僕の周りがそうなだけかもしれないけど、親友だからこそあんまり気を遣ったりしない。いい意味で適当なんです。そのフランクさというか気楽さが男の友情の良さかもしれない」 だからこそ、あこ子と充希の間に挟まれる直己の立場は、木村からすると居心地が悪かったようだ。 「僕が直己の立場だったら、たぶんどっちもフッちゃいますね。二人がこれだけ仲良しだということをわかっているからこそ、僕のほうが気を遣っちゃう。自分のせいで二人の関係が壊れるほうが嫌なので、付き合う前に身を引きます。そうしないと、中途半端な優しさが時に残酷になることもあると思うので」