FWムリキにフェネルバフチェ復帰の可能性…マジョルカは約16億円で“海賊”を手放すのか?
マジョルカに所属するFWヴェダト・ムリキに対して、フェネルバフチェが獲得を検討しているようだ。 1994年4月24日生まれのムリキは現在30歳。コソボ代表の歴代最多得点記録も保持する“海賊”は、2022年冬にラツィオからマジョルカに加入すると、身長194cmの恵まれた体躯を生かした“強さ”と“高さ”で攻撃を牽引。とりわけ、在籍2年目となった2022-23シーズンは、MFイ・ガンイン(現:パリ・サンジェルマン)とのホットラインで猛威を振るい、圧巻の16得点を叩き出した。今シーズンは、約1カ月程度の負傷離脱を強いられながらも、ここまでリーグ戦14試合に出場し3得点2アシストを挙げている。 そんなムリキに対して、フェネルバフチェが獲得を検討しているようだ。ポルトガル紙『オ・ジョゴ』によると、ジョゼ・モウリーニョ監督が率いるチームのセンターフォワードを張るFWユセフ・エン・ネシリのアル・ナスル移籍が近づいており、その後釜として同選手に白羽の矢を立てたという。かつて2019-20シーズンに1年間だけ在籍した際には、公式戦17得点と大暴れ。クラブ上層部は、8ポイント差で首位ガラタサライを追走するリーグ戦の他、ヨーロッパリーグ・リーグフェイズも佳境に差し掛かるタイミングでの戦力ダウンは避けたいと考えている模様。そのため、1000万ユーロ(約16億円)程度を支払う意向を示していると伝えている。 一方で、マジョルカの地元紙『ディアリオ・デ・マジョルカ』は、「手放すつもりがあるかどうかはまだ分からない」としつつも、ラ・リーガ暫定6位につけ、年明けにはスーペルコパ・デ・エスパーニャを控えていることから、「ムリキがチーム内で持つ影響力や、サポーターに対するカリスマ性も考慮すれば、このオペレーションが実行されるのは容易でないだろう」と、マジョルカ側は交渉には応じないという見方を示した。 ただし、「30歳であることを考えれば、1000万ユーロという金額は非常に高い」と売却の時機であることも確かだと強調。また念頭に置くべきこととして、マジョルカとラツィオの間には、いわゆる“売却条項”が存在しており、その詳細は「(ムリキ獲得に伴い、マジョルカがラツィオに支払った)移籍金約800万ユーロ(約13億円)のうち、売却額に対する差額の45パーセントをラツィオが受け取る」というもの。つまるところ、仮に1000万ユーロで交渉が成立した場合は、マジョルカ側は200万ユーロ(約3億3000万円)のうち、45パーセントに当たる約90万ユーロ(約1億5000万円)を支払わなければならないことを明らかにした。 マジョルカ加入から早3年。クラブ公式戦通算31得点11アシストを記録している他、4シーズン連続のラ・リーガ残留にも貢献してきたムリキ。果たして今冬、対戦相手から次々にゴールを奪う“海賊”として恐れられてきた同選手は、別れを告げることになってしまうのだろうか。
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