北海道の絵本作家・庄司あいかさんが紡ぐ優しい世界「ねぇ。きいて」障害のある息子のために…
とても仲が良いきょうだい。 でも、陽菜ちゃんにはかつて複雑な思いがありました。
「ママがいないとつまんない。保育園なんて行きたくない。ぼくはボソッと、にぃになんて死んじゃえって言った」 陽菜ちゃんが知り合いのお母さんに話したという言葉。 寂しさと周囲の偏見に思い悩んでいたといいます。
(陽菜ちゃん)「じろじろ見られたりとか、これうちのお兄ちゃんって見せたときに「あっうん」って感じの反応がちょっと他の人とは違うんだなっていう」 あいかさんは陽菜ちゃんの思いにこたえようと、障害児のことを知ってもらう「ぼくのにぃに」を描きました。
(陽菜ちゃん)「別にこれでもいいんだって思ったりとか、それでうちのお兄ちゃんのことも別にこれが普通だからいいよねっていう気持ちになれました」
絵本は家族の気持ちをつなげ、前に歩み出す力となりました。
(陽菜ちゃん)「もちろんいいよと列車くん。一緒に探しに行きました」
(庄司あいかさん)「うちの絵本は全部読み聞かせ動画を作っているんですけど、大半は娘が声を入れてくれていて、ちょっと小学生なのでやりたくないときもありつつ頑張っているもんね」 あいかさんは障害への理解を広げようと、ユーチューブに絵本の読み聞かせを配信しています。
さらに、絵本の販売サイト「絵本屋だっこ」を立ち上げ、1300冊以上を販売。 障害児支援のために寄付してきました。
隼人くんの同級生・山岸太郎くん。 生まれつきダウン症を抱えています。
お母さんの明美さんは、同じ障害を抱える子の母親としてあいかさんの活動をサポートしています。 (NPO法人絵本屋だっこ 副理事 山岸明美さん)「みんなやりたくても1歩行動に移すことが出来ない人も多いからいいことだと思いますよ」
人前での読み聞かせは、およそ1年ぶり。 さっそく絵本に興味を持ってくれる人がいました。 (絵本を見ていた人)「当事者じゃないと分かんないことがいっぱい書いてあるなという感じで、見ているだけで涙出ちゃいそうになって」