イチローのマリナーズ復帰の可能性はあるのか?
もし、任天堂の故山内溥相談役がご存命であったなら、今回、フリーエージェント(FA)になったイチローをマリナーズに呼び戻そうとするのか、あるいは動かず見守るのか。 実はかつて、山内氏をよく知る方に伺ったことがある。 2015年2月、京都。 取材で立ち寄った際に、その方を含めた3人で先斗町の入り組んだ路地の一角にある小料理屋に入った。 「今日のおすすめは・・・・・と・・・・です」 カウンターだけの小さな店。メニューはなく、新規のお客さんが来るたび、大将が声を張り上げる。1時間もいると、諳んじられるようになった。 お酒が入り、食事が進むにつれ、話はその少し前にマーリンズと契約したイチローの話となる。 チラホラと噂は出たが、契約に至ったのは1月終わり。当時、任天堂はまだマリナーズの筆頭オーナーであり、球団に契約を迫ればなんとでもなったはず。ただ、明確な形で任天堂が動いた気配はない。その理由をあれこれ詮索するうち、ふと、2013年9月に亡くなられた山内さんが生きておられれば、どんな指示をされたのかと思い当たった。 すると、山内氏と旧知のその方は、「こうおっしゃったと思います」と言ってから、思わず聞き直すほど、意外な話をされた。 イチローは今、その時以来、3度目のFAを迎えている。 11月3日、マーリンズはイチローとの来季契約権を破棄した。かといって、必ずしも扉が閉ざされたわけではなく、状況次第では再契約の道も残されていたが、先週オーランドで行われたGM会議でマーリンズのマイケル・ヒル編成本部長は「我々は、新しい方向に進むことになった」とイチローとの再契約を暗に否定。続いて行われたオーナー会議では、CEO(最高経営責任者)のデレク・ジーターが、「(契約権を破棄した)チーム事情を直接伝えた。分かってくれたと思う」と話した。 これでマーリンズとの再契約は100%消えた。