「クリニーク」創業家ドクターに聞く、シンプルスキンケアの哲学と次の研究分野
デビット・オラントラック博士(以下、オラントラック):例えば、皮脂や古い角質などの汚れを洗い流さず、スキンケアもしていない状態で日焼け止めを塗ってもそれは機能しない。肌に不要なものを取り除いて潤いを与えた肌の上に塗るからこそ日焼け止めも機能を発揮する。皮膚科医であった父が3ステップスキンケアを推奨するようになったのは、患者の肌を観察して肌のトラブルがなぜ起こるかを理解したためだ。皮膚は実はとても活発で汗や皮脂を出したりするわけだが、表皮で何が起こり、ニキビやくすみができるのか。これらの問題にアプローチする成分としてサリチル酸が皮膚科では治療に使われていた。サリチル酸は炎症を防ぎ、微生物の繁殖を防ぐのにも有効で、アレルギーの原因にもならず、単純な構造なので副作用もない。
パルド:コットン1枚を使って肌の上を覆っている“障害物”を取り除く簡単なステップだけで、どんなに効果があるかを感じることができる。ベーシックスキンケア商品は長い歴史があるが既存のお客さまだけでなく新しいお客さまも魅了し続けている。現代では大気汚染などの懸念もあり、朝晩拭き取りローションを使うことは非常に重要になっている。1度使うと手放せなくなる人が多い。
ニキビや色素沈着
日焼けケアの商品群も充実
WWD:「クリニーク」の愛用者の属性についてどのように分析している?
パルド:利用者調査や他のプレステージブランドやマスブランドとの比較はもちろん行っているが、「クリニーク」はあらゆる年齢層から支持があることが分かっている。われわれは全ての年齢層に対して、ニキビや色素沈着、日焼けなどさまざまな肌悩みに対して解決策をもたらす商品群を抱えている。使ってみて違いを感じた結果、母から子へ、あるいは友人間でそれが共有され、「クリニーク」の肌へのアプローチがミレニアル世代やそのもっと上の世代などあらゆる層から信頼を得ている。
WWD:消費者ニーズの変化は?