【特集】56年ぶりの都大路で金農旋風を!全国高校駅伝の男子・金足農業 カギを握る兄弟ランナーに密着
ABS秋田放送
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年末年始に全国大会が開かれる高校スポーツの特集。 22日の全国高校駅伝に出場する、男子・金足農業です。 約半世紀ぶりに全国への切符を手にした金足農業。 県予選では、兄弟がタスキをつなぎ、優勝へと導きました。 兄弟で臨む、最初で最後の都大路への思いを取材しました。 秋田市で4センチの雪が降り積もった12日も外を走り続けていたのは、金足農業、男子・陸上部です。 師走の京都を駆け抜ける全国大会への切符を56年ぶりに手にしています。 合宿前の最終調整も、ハードな走り込みを行っていました。 チームの柱は、3年生の中山遥斗選手と、1年生の中山翔太選手の兄弟コンビです。 兄の遥斗選手は、スピードと持久力が持ち味。 一方の弟・翔太選手は、安定感が強みです。 兄弟そろって初めて全国の舞台に挑みます。 10月に行われた駅伝・県予選。 出場した7人それぞれが安定した走りを見せました。 弟の翔太選手が任されたのは、6区。 最終・7区で待ち構える兄・遥斗選手に、トップでタスキをつなぎます。 遥斗選手はそのまま1位を守り抜きました。 42.195キロを2時間20分台で走り抜き、1968年・昭和43年以来の全国への切符を手にしました。 県予選優勝から約2か月。 最終調整では、スタミナアップと心肺機能の強化に重点を置きました。 10キロ以上を一定のペースで走り続けたあと、ラストスパート、全力でダッシュします。 その後、休む間もなくスクワットや、走りのフォームの確認を行っていました。 中山翔太 選手 「兄は最初から速いペースとかにも怖気ずに積極的にペースを上げていってどんどん走っていくっていうところが尊敬できると思います」 中山遥斗 選手 「兄弟といっても陸上の練習の中と試合ではやっぱライバルでもあるので、仲良しっていうかそういうのは関係なく、お互いに陸上選手として考えて走ってます」 幼いころから走るのが好きだったという2人。 陸上を始めたのは、共に中学校に入ってからです。 兄・遥斗選手が、高校進学後、ぐんぐんタイムを縮める姿を見て、弟の翔太選手は、同じ金足農業に進学することを決めました。 弟・翔太 選手 「けんかとかいっつもするんですけど、たまになんかお菓子とかくれたりとか、アドバイスしてくれたりとか、そういう些細なところに気を遣えるところが好きです」 夕食後は、ストレッチと筋トレが日課です。 ここでも兄弟がサポートし合います。 中学・高校ともに、陸上部で駅伝も経験してきた父・孝尚さんがサポートすることも。 兄の遥斗選手は、孝尚さんにすすめられたことが陸上を始めたきっかけでした。 孝尚さんは、これまで、息子たちの活躍する姿を写真や動画に収めてきました。 父・孝尚さん 「一番いいのはやっぱりタスキをつないでいるところが、やっぱり…この瞬間ですかね。なかなか兄弟でタスキをつなぐことは滅多にないので、すごい貴重な写真だなと思います」 「今回息子2人が兄弟で都大路に決まった時はとても嬉しかったし、誇りに思いましたね。最高にして最強の仲間がそろっているので、金農旋風、まぁ一番期待しているのは、中山兄弟旋風を巻き起こして、いい結果を出せるように頑張ってきてほしいです」 兄弟で挑む、最初で最後の都大路。 チームの目標は、県予選の時から全体でのタイムを5分以上縮めることです。 中山遥斗 選手 「まだ区間は決まっていませんが、3年生として恥じない走りをし、チームにしっかり貢献したいと考えています」 中山翔太 選手 「(兄弟での都大路は)最初で最後なので、悔いない走りをして、兄と一緒にベストを目指したいです」 全国高校駅伝まであと4日。 56年前、8位入賞を果たした金足農業・男子陸上部が、半世紀の時を超えて、再び京都・都大路を駆け抜けます。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ (取材した太田英梨花アナウンサー) 選手たちは、16日月曜日に京都に移動して、現地で調整を行っています。 小野聡志監督によりますと、都大路は、県予選の会場と比べると上り坂やカーブが少なく、タイムの短縮が期待されています。 チームがベストを尽くして悔いなく走りきることを願っています。