【阪神】才木浩人1―0完封でセ界トップ4勝目 2安打1得点の打線に「もうちょっと点取ってほしい」
◆JERAセ・リーグ DeNA0―1阪神(12日・横浜) 阪神は才木浩人投手(25)が4安打で今季セ・リーグ初の1―0完封でリーグトップに並ぶ4勝目を挙げた。最大7点リードから逆転負けを喫した前日(11日)の悪夢を払しょく。自身4度目のシャットアウト勝ちにお立ち台では「もうちょっと点取ってほしいですね」と素直な心情も吐露した。チームは今季6度目の完封勝利で母の日は21年から4連勝。3カードぶりの勝ち越しを決め、1日で首位に返り咲いた。 貫禄を漂わせた。9回2死、才木は森敬に二盗を決められ、ピンチを招いても、牧を150キロの速球で捕邪飛に仕留めた。「(9回まで)いったろか~って。まだ余力が残っていた」。128球での4安打完封に両手を掲げるガッツポーズ。「もうちょっと点取ってほしい」。ヒーローインタビューでは開口一番に2安打1得点の貧打を“いじる”余裕すらあった。 6回までわずか2安打とゲームを制圧。最大のピンチとなった7回無死一、二塁では筒香を直球で二ゴロ併殺に打ち取った。8回2死、度会への3球目にこの日最速の153キロを計測。捕手・梅野は「(才木)浩人さまさま」と感謝。岡田監督も「よう勝ったよ。才木さまさまよ、はっきり言うて」と、最大7点差をひっくり返された前日の悪夢を払しょくする快投に賛辞が止まらなかった。 「救ったと言ったらあれですけど、昨日の展開の後だったので締めないとと思っていた。僅差で完封できたのはすごくデカい」。リーグトップタイの4勝のうち、3勝が黒星の次ゲームと流れを変える男だ。2連敗で迎えた開幕3戦目の3月31日・巨人戦(東京D)は6回無失点でチームの今季初白星を呼んだ。10戦2得点以下が続いた7戦目の4月14日・中日戦(バンテリンD)は7回1失点で自身今季初星。7連勝の起点となった。登板時の援護は今季、平均1・7得点と恵まれていないが、必死に腕を振っている。 ヒーローインタビューでは兵庫県在住の母・久子さんへの思いを問われ「えっ」と絶句した後、「勝ちました」と叫んだ。「野球ができている(姿を見せられている)ことが一番」。チームを首位返り咲きに導く白星が最大のプレゼントになった。(直川 響)
報知新聞社