【思い出のマイルCS】武豊騎手が向正面で勝利を確信 メモリアルVを飾ったトーセンラー/2013年
[GⅠマイルチャンピオンシップ=2024年11月17日(日曜)3歳上、京都競馬場・芝外1600メートル] 今週末、京都競馬場ではGⅠマイルCSが行われる。2013年にこのレースを制したのがトーセンラー。その時、騎乗したのは武豊騎手だった。 「春には天皇賞に出走するなど長い距離で走っていた馬でしたけど、マイルでも大丈夫だろうという気持ちがあったので、自信を持って臨めました」 その自信は、調教に乗った際に生まれたそうだ。 「直前の調教の動きが抜群に良くて、厩舎がマイル仕様に仕上げてくれたと感じました」 キーポイントとなったのはスタート直後だったという。好発を切りながらも、後方に下げたのだ。 「スタートは良かったけど、あのままの位置にいたらゴチャゴチャした位置でモマれたでしょうね。後方に控えたのはわれながら良い判断ができたと思いました」 春の天皇賞は3200メートル戦ということもあり、道中はゆっくり行ったが、マイルCSはそうはしていられない。天皇賞とスタート地点が近いため、馬が勘違いするといけないと思い、早めに指示を出したところ、パートナーが理解して、すぐに反応してくれた。 「そのあたりは藤原英昭厩舎のスタッフがそうできるように仕上げてくれていたということだと思います。おかげで向正面ではもう『勝てるだろう』と思いました」 それだけ早い地点で勝利を確信できる馬はめったにおらず、トーセンラーは「父のディープインパクト以来だったかも……」と武豊騎手は語った。 この勝利が自身の通算100勝目のGⅠ勝利となった武豊騎手。あれから11年が過ぎた現在もまだ現役で頑張っているレジェンドは今年、オオバンブルマイ(牡4・吉村)でこのレースに挑む。母の父がディープインパクトとなるこの馬で、今年はどんな手綱さばきを見せてくれるのか。刮目したい。(平松さとし)
東スポ競馬編集部