「人事部」と「営業部」 収入がいいのはどっち? それぞれの年収アップ方法も解説
「人事部は勝ち組?」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。一部の企業では、出世頭の花形部署として捉えられています。一方の営業部には、「収入が高い」というイメージがあるのではないでしょうか。 そこで本記事では、最初に人事部と営業部の収入状況を比較した後、それぞれの苦労と年収アップの方法について解説するので参考にしてください。
人事部と営業部の収入状況
厚生労働省では、「令和3年 賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)」を公表しています。それによると、庶務・人事事務員の平均時給(基準値0年)は1311円であり、営業・販売事務従事者の平均時給(基準値0年)は1221円という結果でした。この結果から、1311円-1221円=90円分、庶務・人事事務員のほうが高いことが分かります。 1日8時間勤務で週5日と考えた場合、庶務・人事事務員は1311円×8×5=週5万2440円です。一方の営業・販売事務従事者に関しては、1221円×8×5=週4万8840円になります。1ヶ月を4週と考えた場合、庶務・人事事務員は5万2440円×4=月20万9760円、一方の営業・販売事務従事者は4万8840円×4=月19万5360円です。 さらに年間(12ヶ月分)では、庶務・人事事務員が20万9760円×12=251万7120円、一方の営業・販売事務従事者は19万5360円×12=234万4320円です。双方の差は、年間17万2800円となります。 上記は税金や社会保険料などを考慮していないため、そのまま月給や年収というわけではありません。また、年数による経験・スキルも反映していませんが、「人事部のほうが営業部よりも高収入の傾向」とはいえるでしょう。
人事部と営業部の苦労と年収アップの方法
次に、人事部の苦労には次のようなものがあります。 ●苦情やトラブル対応が多い ●目標の数値化が難しい ●繁忙期が生じやすい 人事部には、各部署から苦情やトラブルが寄せられることがあります。人事評価への不満といった重たい内容もあるため、ストレスを受けやすいでしょう。また、数値による目標が立てづらいため、モチベーションが低下する懸念があります。毎月の給与計算や採用時期は忙しくなりやすいという苦労も考えられます。 一方、営業部の苦労として考えられる内容は以下です。 ●営業目標やノルマが厳しい ●顧客などから断られるつらさがある ●前向きさが求められストレスがたまりやすい 一般的に営業部は営業目標やノルマが厳しく、一定の売り上げを求められるというつらさがあります。個人でもチームでも、数字に追われることが多いでしょう。また、魅力的な提案をしても顧客などか断られるつらさや、それでも前向きな姿勢を求められるためストレスがたまりやすいという苦労もあります。 このように、人事部と営業部ではつらさの種類が違います。 次に人事部の年収アップの方法ですが、まず社内で昇給するには、スキルや実績が大切です。そのために業務経験を重ねるとともに、資格取得も考えてみてください。 人事で評価されやすい資格には、社会保険労務士、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーなどがあります。特に社会保険労務士は労働や社会保険の専門家なので、評価する企業が多いでしょう。 そのほかにも、高給与の外資系企業へ転職したり、フリーランスの人事として独立したりという選択肢があります。転職も独立も簡単ではありませんが、年収アップにつながる可能性があります。 次に営業部ですが、社内で昇給するには数字を残すことが大切です。基本給以外にインセンティブを狙うには、交渉スキルを磨く必要があるでしょう。ただし扱う商品・サービスによっても年収は異なる傾向があります。 一般的に医療系や金融系は高収入といわれていますので、転職によって年収アップが実現するかもしれません。また、フリーランスとして独立し、営業代行を請け負うことで収入を上げられる可能性もあります。
まとめ
本記事では人事部と営業部を比較しながら、収入状況、苦労、年収アップの方法を解説しました。収入的には人事部のほうが高い傾向があり、苦労の種類はそれぞれ違います。 年収アップの方法に関しては、人事部も営業部も、昇級、転職、独立という3つの方法があるので、将来に向けてぜひ検討してみてください。 出典 厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部