徳之島に現れた快速右腕の1年生!全球直球勝負で鮮烈デビュー!【24年夏・鹿児島大会】
<第106回全国高校野球選手権鹿児島大会:徳之島7-0吹上(8回コールド)>◇9日◇1回戦◇鴨池市民球場 ◇【一覧】スーパー1年生リスト 徳之島は1回裏、二死二塁から4番・上原 龍樹(3年)の右前適時打で先制。連続エラーで2点目が入り、二三塁と好機が広がって7番・住田悠(3年)が左前2点適時打を放つ。初回計4点を先取して主導権を握った。 2回は重盗で5点目を挙げた。 3回以降は立ち直った吹上のエース・若松 宗磨(3年)を攻略できなかったが、先発の住田、5回からリリーフした長尾 涼(1年)の投手陣がテンポ良く無安打で抑え、守備も無失策の好守で盛り上げた。 打線は8回にようやく活気づき、3安打を集中して3番・嶋田 翔仁(3年)の中前2点適時打で7点差となり、コールド勝ちを決めた。 「夏の優勝に向けた貴重なワンピース」 報道用アンケートで徳之島の1年生右腕・長尾について書かれた文言に期待の大きさがうかがえる。5回からリリーフでマウンドへ。8回まで打者12人を相手に7三振を奪った。先発した住田から継続し、無安打で投げ切る。「楽しかった」と上々の「鴨池デビュー」を振り返った。 投じた46球は全て直球。「相手を圧倒する投球をして欲しかった」(捕手・上原)から1本打たれるまで直球以外のサインは出さないつもりだった。 球速は120キロ後半から130キロ前半の数字を示し続けた。「悪い時は身体が突っ込んで、腕だけの振りになってしまう。しっかりと重心を後ろに残して投げられていた」と冷静に自己分析した。 中学時代は伊仙合同のエース。強豪校からの誘いもあったが「チームメートが熱くて、彼らとだったら島から甲子園のワンチャンスがあるかも」と8人の同級生と一緒に島から甲子園を目指す夢を選んだ。 先輩たちの熱意と野球への取り組みに刺激され、学び多き毎日だ。この日、四球で出した唯一の走者は上原が二盗を阻止。一塁手・嶋田 翔は2度の好守で無安打をアシストし、最後のコールド勝ちを決める中前2点適時打を放った。良いリズムを作ってくれる先輩たちがいるからこそ、安心して全力投球できる。「次からも良いチームが相手になる。自分に与えられた役割をしっかり果たせるようにしたい」と今大会にかける意気込みを語っていた。