『紅白歌合戦』2024年のキーワードは? B'z、米津玄師、中島みゆき、中森明菜、Creepy Nuts……出場者予想
2024年もいよいよ年末モードへ突入し、各業界で今年の振り返りが始まっている。と同時に、この時期になると決まって話題になるのが毎年恒例の『NHK紅白歌合戦』の出場者だ。すでにさまざまな憶測が飛び交っているが、ここでも出場者を予想してみたい。 【画像】『第74回 NHK紅白歌合戦』出演者たち 近年の『紅白』が課題としているのが、若年層の視聴率。その点を考慮すると、今年の「『現代用語の基礎知識』選 2024ユーキャン新語・流行語大賞」の候補にもノミネートされた「Bling-Bang-Bang-Born」を歌うCreepy Nutsの白組出場は堅いだろう。同曲に合わせて踊る“BBBBダンス”がTikTokをはじめ若年層や子どもたちのあいだで大人気となり、数多くの振り付けやダンスチャレンジがSNS上に投稿された。同曲は1月にリリースされて以来、YOASOBI「アイドル」に次ぐ歴代2番目の速さでストリーミング累計再生数5億回を突破(※1)。圧倒的なチャート成績を残している。 再生回数の面では、島根県出身のピアノトリオバンド・Omoinotakeが歌う「幾億光年」や現役女子高生シンガーソングライター・tuki.が歌う「晩餐歌」、ヨルシカの「晴る」などがめざましい結果を叩き出した。いずれも今年ストリーミング再生数で“億超え”を達成しており、選ばれると初出場となるため話題性も十分。 また、昨年より国内外でダンスチャレンジが流行した「NIGHT DANCER」を歌うシンガーソングライター・imaseの抜擢にも個人的には期待したい。同曲は多くの人気K-POPアーティストたちをはじめ、SNS上でシェアしていたため、ある意味昨年のYOASOBI「アイドル」における大団円的演出も可能かもしれない。国境を越えたコラボレーションによる一夜限りのお祭り的なステージは、大晦日のお茶の間が最も求めている光景と言える。 さて、出場者を予想するうえで手掛かりのひとつとなるのがNHKとの関係の深さ。特にNHKの音楽番組で特集されたアーティストはマークしておきたい。とりわけ3月に『NHK MUSIC SPECIAL』で特集された中島みゆきは本命である。4月から18年ぶりに放送開始された『プロジェクトX』の新シリーズ『新プロジェクトX ~挑戦者たち~』でも引き続き中島の歌が使用され、歌声に触れる機会も増えてきた。「ヘッドライト・テールライト」や同番組のために新録された「新・地上の星」は、すでに発表されている今年のテーマ「あなたへの歌」のメッセージ性にも通じるものだ。 連続テレビ小説=朝ドラ関連にも注目したい。今年の4月から9月にかけて放送された『虎に翼』主題歌「さよーならまたいつか!」を担当した米津玄師は、もし出場が実現したら2018年に歌唱した「Lemon」以来となり話題必至。今年9月末よりスタートした同じく朝ドラ『おむすび』主題歌「イルミネーション」を担当したB'zは、万が一出場となれば白組のトリ級の扱いとなるだろう。 あるいは、浜崎あゆみも紅組のサプライズとして予想に入れておきたい。現在放送中の『おむすび』は“ギャル魂”をテーマに平成を彩ったさまざまなカルチャーが登場するが、そのなかで浜崎の1999年のヒット曲「Boys & Girls」が使用されていた。久しぶりに同曲を耳にした視聴者からの反響も大きかったようだ。『NHK MUSIC SPECIAL』にも昨年出演していたため出場は十分にあり得る。『おむすび』では安室奈美恵の楽曲も使用されていたが、安室はすでに芸能界を引退しているため可能性は浜崎以上に薄いだろう。 “時代を越えた歌”というのも重要なキーワードのひとつ。昨年はキャンディーズの伊藤蘭をはじめ、特別企画において薬師丸ひろ子や寺尾聰などの顔ぶれが揃っていた印象がある。そのため、今年10年ぶりにオリジナルアルバムを発売した竹内まりや、活動再開が待ち望まれている中森明菜、今年ベストアルバムを発売した宇多田ヒカルなど、幅広い世代から長く愛されるアーティストの選出にも期待したい。 一方で、来年2月で活動休止を発表しているフジファブリックの出場も予想する。振り返ると今年は元旦の能登半島地震から始まった。ベースの加藤慎一は石川県の出身。現体制最後のワンマンライブは、2025年の2月にNHKホールで開催されることも決定している。バンドのラストタイミングで、今も多くの人々から支持される名曲「若者のすべて」で有終の美を飾ってほしい。 最後に白組の大穴として予想したいのが、お笑いコンビのとんねるず。今年29年ぶりに開催した日本武道館でのライブはチケットが即完売し話題となったが、その反響にも表れているように、ふたり揃ってのテレビ出演待望論は年々高まりつつある。特別企画のコーナーでポケットビスケッツ&ブラックビスケッツが出演した去年に引き続き、「テレビが届けた名曲たち」的な方向性で“お笑い枠”であればどうだろう。個人的には野猿として「Be cool!」あたりを熱唱してほしいものだが、さまざまな事情により難しい気もする……となると“ストロベリー”と“マーガレット”名義で矢島美容室としての出場なら、ひょっとするとあり得るのかもしれない。 ※1:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/142101/2
荻原梓