レッドブル代表、ペレス撃墜クラッシュに対する“無罪判決”に驚き「僚友まで巻き込んだマグヌッセンは賢いと言えない」
F1モナコGP決勝のオープニングラップでは、レッドブルのセルジオ・ペレス、ハースのケビン・マグヌッセン、ニコ・ヒュルケンベルグの3台が絡んだ大クラッシュが発生した。これに関してFIAレーススチュワードは調査を行なわなかったが、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はマグヌッセンに否があると考え、レーシングインシデントとして扱われたことに驚いたという。 【動画】オープニングラップに衝撃の大クラッシュ発生! ペレスのマシンは見るも無惨な姿に|F1モナコGP ペレスは予選Q1落ちを喫し、ハース勢もリヤウイングの規定違反によって予選失格。3台はグリッド後方から決勝レースを迎えた。 ペレスはスタート直後のターン1“サンテ・デボーテ”ではハース勢の前に立っていたものの、ターン2“ボー・リバージュ”を駆け上がるところで、マグヌッセンが進行方向右手側からペレスをオーバーテイクしようと試みた。 しかしペレスのマシンとウォールとの間に十分なスペースはなく、マグヌッセンの左フロントタイヤとペレスの右リヤタイヤが接触。コントロールを失ったペレスのマシンはスピン状態となり、2台を左手から抜けようとしたヒュルケンベルグのマシンにもヒットした。 これでペレス、マグヌッセン、ヒュルケンベルグは1周も回ることなくモナコGP決勝から姿を消すことに。このクラッシュについて、スチュワードは調査の必要はなしと判断。いずれのドライバーにもペナルティを科さなかった。 ただ、ペレスはマグヌッセンが退くべきだったと主張。ホーナー代表もペレスの意見に同意し、調査が行なわれなかったことに驚いたと語った。 「かなり大きなインシデントだったから、調査対象にならなかったことには驚いたよ」とホーナー代表は言う。 「というのも、ケビンはコース幅が狭くなっている部分でタイヤを(ペレスのマシンに)食い込ませていった」 「彼が引くと予想するはずだが、チェコ(ペレスの愛称)のレースとマシンを壊しただけでなく、チームメイトのレースも破壊した。とても賢いとは言えないね」 また、クラッシュ当時の状況について、ホーナー代表は次のように語った。 「ひどいアクシデントだった。もちろん、そういう時は心臓が口から出そうになるし、すぐにドライバーの安全に集中する。幸い、マシンは直せるからね」 「でも、(衝撃吸収)構造もヘイローも、全てが役割を果たした。最も重要なのは、かなりひどいように見えた事故から、チェコが無傷で立ち去ることができたということだ」 なおペレスのマシンのダメージ状況について、ホーナー代表は「エンジンとシャシーについては分からないが、明らかに大きなダメージだ。大きな代償を払うことになった」と説明した。
滑川 寛, Jonathan Noble